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受賞者一覧

受賞者一覧


 

グランプリ

 

 

 

 

塩見友梨奈

 
2012 京都造形芸術大学院 修士課程 芸術表現専攻修了、 京都府美術工芸新鋭展2013 選抜部門 大賞
 

<作品について>
今回は子ども用のブランコの形をした体験できる作品を展示しました。タイトルは「首吊りビリー」。多重人格を患った実在する人物、ビリー・ミリガンをモデルにした作品です。ファスナーを閉じれば、真っ暗になり、手も足も出せないように閉じ込められます。されるがまま、ぐらぐらと不安定に揺れ動くので、不思議な浮遊感を感じる少し怖いブランコです。
会期中、たくさんの子どもたちが乗ってくれました。お母さんの手を離れたとたんに泣いてしまう子もいましたが、中に入ったまま出てこない子も…。
今まで制作してきた布のインスタレーション作品と違い、実際に体験してもらいながらお話できて、私も楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。
 


 

準グランプリ

 

 

 

石野平四郎

 
2013 神戸芸術工科大学 クラフト・美術学科 在学中
2012 神戸芸術工科大学学園祭セレンディップコンペティション 最優秀賞
 

<作品について>
骨組みを芯とし、そこに自然乾燥で硬化する粘土を貼り付け、仕上げに彩色するといったサブカルチャー的なフィギュアの制作方法に対し、ハイカルチャー的な彫刻作品が放つ緊張感や臨場感を、大きさ、重さ、そして作り手の強い思いから、籠められる力によって表現。それはフィギュアでも彫刻でもない新しい立体作品のジャンルへの挑戦。
今回出展した大きな挑戦が来場された沢山のお客様にはっきりと伝わったのを感じます。
様々なジャンルの中で自分の評価がどれほどのもか、正直不安で仕方がありませんでしたが、このような素晴らしい賞を頂けて、これから目指す先へとたどり着ける確実な自信ができました。
そしてこの感動と経験を次の場への糧とし、精進してしていきたいと思います。
この度は本当にありがとうございました。
 


 

準グランプリ

 

 

クラークソン瑠璃

 
2005 慶応義塾大学環境情報学部卒業、2012 ISETAN WAM 賞受賞
 

<作品について>
今回出展した作品は、「育メン」「婚活」など現代家族や女性のアイデンティティに関する、「耳障りな」言葉を笑いの要素を持って刺繍した「悶悶WORDS」シリーズです。
SICFでは会期中、老若男女の来場者の方が作品と触れ色々な表情をされているのを目の当たりにし、今後の活動の糧となりました。2013年は7月1日~31日に、原宿のusagi pour toiのウィンドウギャラリーで展示をいたします。またAIT(アーツイニシアティブトウキョウ)のゼミに参加したり、津田塾大学での講義をさせいただいたり、新しい挑戦が多い年となりそうです。
 


 

スパイラル奨励賞

 

 

 

栗田有佳

 
2012年度 東北芸術工科大学デザイン工学部グラフィックデザイン学科卒業
2012年東北芸術工科大学卒業/終了制作展 グラフィックデザイン学科最優秀賞
 

<作品について>
今回、シャケの切り身をテーマとした作品を展示させていただきました。
シャケの切り身の赤と、うろこの黒と、空間の白でひたすら構成されている作品です。コンセプトは自分の中であるものの、見方は見る人にまかせています。
人により様々な見方があって、逆にはっとさせられたり、シャケの調理法で盛り上がったり、会期中とても楽しく、素敵な時間を過ごすことが出来ました。作品を見て下さった方々にとても感謝しております。
その上、賞もいただくことができ、次へつながる展示となりました。ありがとうございました。
このまましばらく、シャケと走っていこうと思います。
 


 

浅井隆賞

 

 

 

鈴切り絵

 
2010年 Bath School of Art and Design Textile Design科 卒業 その後、約7ヶ月 ISSEY MIYAKEにてテキスタイルアシスタントを勤める
 

<作品について>
刺繍で絵を描く、”ステッチドローイング”という技法で作品を制作しています。
今回出品したのは、”SECRET WINDOWS”  丸い穴から女の子の部屋を覗き見ると、女の子たちが人目を気にせずくつろいでいます。描くのはそうした女の子たちの不意な魅力的な瞬間です。そして、あらゆるマテリアルと、ステッチの技法を組み合わせて、“あたたかい”だけじゃない、シャープなきりっとした刺繍表現を探っています。
テーマにしている“刺繍の温度感”の表現には課題が残りましたが、“かわいくて美しい”と言っていただけたことを励みに、今後も素材など探求しながら制作していきたいです。
10/25からは下北沢のギャラリーで個展を開催します。
 


 

後藤繁雄賞

 

 

 

若生友見

 
2012 東北芸術工科大学大学院 芸術工学研究科 デザイン工学専攻 ビジュアルコミュニケーション研究領域 修士課程 修了、 2010 東北芸術工科大学卒業/修了研究・制作展 グラフィックデザインコース 優秀賞
 

<作品について>
目には見えているのに意識の外にすぐ出てしまうような存在へ焦点を当て、1つのテーマにつき1冊のブックの形で、シリーズ作品として制作しています。
今回の展示では「測量の目印に使用する、蛍光ピンクのテープのある風景」を新作のテーマとし、写真集を制作しました。
たまに、1つのテーマについて深読みしようとして下さる方がいますが、1冊1冊にはこれといって深刻なテーマも、強烈なコンセプトも用意していません。しかし作品が複数集まることで、現代日本の少し奇妙な面が浮かび上がり、社会への問いかけになると考えています。
この度戴いた賞は、後藤さんからの応援の気持ちをとても感じた賞でした。本当にありがとうございました。
 


 

佐藤尊彦賞

 

 

 

杉本格朗

 
2006年 玉川大学 芸術学部 ビジュアル・アーツ学科 卒業、 2006 玉川大学芸術学部ビジュアル・アーツ学科 第一回卒業プロジェクト 学部長特別賞 受賞
 

<作品について>
ブース内に入り一段上がって、壁に掛かった練香(お香)を焚いた装置に鼻を近づけると、香りと共に呼び覚まされる記憶。
「あぁー。」(懐かしい、落ち着く)、「ん?」(どこかで嗅いだ)、「ゔっ!」(スパイシー!)など、反応はさまざまながら、香りによって現在と過去、こことどこかを同一に体感します。装置の下には電球や六角ボルトの形に成形した練香を置きました。
練香は火で直接燃やさず、適度な熱で燻らすため、香りが尽きても灰になることなく、形はそのまま残ります。香りがブースを超えて会場に漂っていたこと、形が燃え尽きずに残ることに多くの反響がありました。
日本文化の提示とプロダクトとしての可能性を評価していただき、大変有り難く思っています。
 


 

紫牟田伸子賞

 

 

 

GABOMI

 

<作品について>
2年前より四国の私鉄”ことでん”の電車工場を記録しつづけています。
そこで働く人びとの日常をありのままに撮影しました。撮影中は絶対に物に触れないこと、仲良くならないこと、自分の気配を消すことを守り、そして生まれたドキュメンタリー作品は、鑑賞者が被写体そのものをリアルに感じることができます。
わたしはこの撮影自体に大きく影響を受け、写真概念が変わりました。それ以降、写真は記録であるとの結論に至りました。
今回の展示では、メイン写真の世界観を生かした空間をつくり、ことでん仏生山工場の記録写真、そして彼らとコラボした広告写真の両方を展示しました。本当の意味で企業と作家が共に作品を作り、さらに発展させていく素晴らしさを多くの方に伝えたかったのです。
美はすでにある。今後も発見者であり記録者であり続けようと思います。
 


 

オーディエンス賞

 

 

 

osage

 
osage:中西洋子・渡邊小百合・菊池ゆきのの3人からなるクリエイティブユニット
2012・2013 武蔵野美術大学卒業
 

<作品について>
今回展示は、“女の子はなんでも「かわいい」と言う”ということに興味を持ち、一般的にはそうではないものも彼女たちのフィルターを通すとかわいいものに変わることに面白さを感じて制作しました。「super girls collection」はそんな子が、スーパーマーケットの食材までかわいさを感じたら…というテーマで、普通の食材をパーティーにも付けていけそうなアクセサリーにしました。女の子が素敵に身につけているポスターも掲示することで、食材はおしゃれアイテムであると錯覚するような空間にし、食材をかわいいと思ってしまう女の子の感覚を体験できるような展示を目指しました。
あまり公に作品を発表する機会がなかったので、多くの方に作品を見ていただき、オーディエンス賞をもらうことができとても嬉しいです。今後もosageは、日常に潜む新しい価値を発見し作品として発表していきたいと思っています。