SICF22
EXHIBITION 審査員
大巻伸嗣/美術作家
田中みゆき/キュレーター・プロデューサー
保坂健二朗/ 滋賀県立美術館ディレクター(館長)
MIKIKO/演出振付家
加藤育子/スパイラル キュレーター
*その他、審査員は決定次第随時、本ページにてお知らせします。
MARKET 審査員
川渕恵理子/合同会社文化星人 代表
鈴木マサル/テキスタイルデザイナー
林口砂里/有限会社エピファニーワークス代表取締役・一般社団法人富山県西部観光社 水と匠 プロデューサー
西村直子/スパイラル 販売部物販課商品担当チーフ
photo : paul barbera / where they create
大巻伸嗣
美術作家
昨年は、国内外での展示が延期や中止になり、私自身大変な1年を過ごしました。コロナウイルスによって変えられてしまったかのように思えますが、人間であることは変わりません。美術が一つの方向に進む必要もないと思います。もしも世界の状況によって、今までやってきたことから、なんらかの発見や変化を得ることができ、自身にとって妥協ではなく受け入れ、肯定していくことができるものに出会えたならば、是非見てみたいと思います。
私にとってSPIRALという空間は、35歳の時大きな挑戦をさせていただいた場所です。16年前にart-life vol.4という2人展で、國府理さんとお互いに精一杯の作品をぶつけ合ったことを思い出します。
今できないものが未来を作ることはできません。是非、皆さんが今までやってきたことを精一杯みせてください。
PROFILE
1971年岐阜市生まれ。曖昧で捉えどころのない「存在」に迫るための身体的時空間の創出を試み制作活動を展開する。主な作品に、やわらかな布が浮遊することで、物質性の消失と自同律の不合理性を視覚化した作品“Liminal Air space-time”(2011〜)、様々な背景を持つ文様や文字などを構成し、場所の記憶として鮮やかな色彩の空間を作り出す作品“Echoes Infinity”(2002〜)、大量のシャボン玉によって場と記憶の再生を試みる作品”Memorial rebirth”(2008〜)などがある。主な展覧会に、「シンプルなかたち展:美はどこからくるのか」森美術館 (2016)、「Liminal Air Fluctuation – existence」エルメスセーブル店(パリ) (2015)、「Louis Vuitton 2016-17 FW PARIS MEN’S COLLECTION」アンドレシトロエン公園(パリ)、「存在の証明」箱根彫刻の森美術館 (2012)、「アジアパシフィック・トリエンナーレ2009」Queensland Art Gallery(ブリスベン)、「あいちトリエンナーレ2016:虹のキャラヴァンサライ」、「横浜トリエンナーレ2008」、など多数。第8回円空賞(2015), 第27回タカシマヤ美術賞(2016)等を受賞。
川渕恵理子
合同会社文化星人 代表
魅力的なモノとの暮らしは人生を豊かにしてくれます。高級とか便利とか、そうした基準を超えたところにある、琴線に触れるモノとの時間です。
社会環境の変化とともにライフスタイルが大きく変わりつつある今、日々の暮らしをより充実させたいというニーズが高まっています。だれでもないあなただけの着想や美意識、詩やユーモアが込められた、これからの暮らしをトキメかせてくれるクリエイションを期待しています。
PROFILE
ライフスタイルブランドIDÉEにて「東京デザイナーズブロック」や「世田谷ものづくり学校」など、デザインやものづくりをテーマとした企画、場づくりに携わる。2006年にディレクターに就任。日常の中でアートを楽しむことを提案する「Life in Art」プロジェクトを推進する。2018年に合同会社文化星人を設立。文化星(地球)をクリエイティブの力で豊かな星にすることをテーマに、ライフスタイル、アート、ソーシャルの分野で活動中。
Photo: Akihide Mishima
鈴木マサル
テキスタイルデザイナー
今まで世の中にあって、良いとされて来たものを疑ってみてください。我々の生活は大きく変化していると思うからです。今現在の自分が何に魅力を感じているのかを自身に問うてみてください。世界中の価値観が大きく転換していると思うからです。
審査を終えた後に焦り、審査委員を引き受けたことを後悔して事務所に飛んで帰り、デザインを描くような事態になるようなことを期待したり、そんなことが起こって欲しくない気持ちもあったり。いや、楽しみにしております。
PROFILE
2004年からファブリックブランドOTTAIPNUを主催。
色鮮やかなプリントファブリックを中心に生地本来が持つ魅力にあふれたコレクションを展開。自身のブランド以外にも、マリメッコ、カンペール、ユニクロなど、国内外の様々なブランドからテキスタイルプロダクトを発表。テキスタイル以外にも家具や建築空間など様々なシーンに向け、パターンデザインを軸にしたデザインを展開しています。
http://masarusuzuki.com
Photo: Shiho Kito/Yahoo! ニュース特集
田中みゆき
キュレーター・プロデューサー
わたしは“普通”と違う身体や感覚をもった、社会では‟マイノリティ”とされる人たちと表現について考えたり、一緒につくったりという活動をしています。彼らにそれまで当たり前だと思っていた価値観や見方を覆される経験をさせてもらってきたわたしは、ある意味手強い鑑賞者かもしれません。誰もが何らかの当事者であることが少しずつ明らかになり、声を上げる手段も増えている今、あなたが社会に投げかけるものが表現である必然性はどこにあるのでしょうか。それを問いつつ、あなたを含むあらゆる存在を肯定する方法として表現の可能性を感じられる才能に出会うことを願っています。
PROFILE
アートセンター等の勤務を経て、「障害は世界を捉え直す視点」をテーマに活動を始める。価値が定まる前の表現の捉え方を多様な鑑賞者とともに実践する。近年の企画に、『音で観るダンスのワークインプログレス』(KAAT神奈川芸術劇場、2017~19)、映画『ナイトクルージング』(2019)、『オーディオゲームセンター』(2017~)など。
2020年大阪・関西万博日本館基本構想策定クリエイター就任。2018年より東京工業大学リベラルアーツ研究教育院非常勤講師。21_21 DESIGN SIGHT企画展「ルール?展」にて展覧会ディレクターを務める。
https://miyukitanaka.net/
林口砂里
有限会社エピファニーワークス代表取締役・一般社団法人富山県西部観光社 水と匠 プロデューサー
人類の急激な人口増加に対応するために、大量生産が可能な機械工業は必要不可欠でしたが、物が溢れる現代における作り手は、「これから何を作るのか」を真剣に考えなければならない、これまでとは異なる状況に置かれていると思います。だからと言って「物を作らない」とするのは浅薄で、「美しいもの」と暮らす喜びは、心の糧になると考えます。人の心を動かす「美しいもの」とは何なのか、SICFを通じて作り手の皆さんと一緒に考えたいです。
PROFILE
東京デザインセンター、P3 art and environmentでの勤務を経て独立。現代美術、音楽、デザイン、仏教、科学と幅広い分野をつなげるプロジェクトの企画/プロデュースを手掛けている。2012年より地元・富山県高岡市にも拠点を持ち、伝統工芸と先端技術が出合う『工芸ハッカソン』のプロデュースなど、地域のものづくり・まちづくり振興にも取り組んでいる。
https://mizutotakumi.jp/
https://www.epiphanyworks.net/
Photo: Keizo Kioku
保坂健二朗
滋賀県立美術館ディレクター(館長)
審査員をいくつも経験してきましたが、出展者にブースが与えられているというのははじめてです。しかも場所はスパイラル。とんがっていると同時に日常ともつながっている、不思議で素敵な場所。僕が来場者にはじめて作品解説をしたのも(つまり「デビュー」したのも)、ここでした。あれから四半世紀が過ぎなかなか大変な「世界」になっていますが、そんなときだからこそ本当のクリエイションがみたい、そう願っています。
PROFILE
1976年生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了後、2000年より20年まで東京国立近代美術館(MOMAT)に学芸員として勤務、2021年より現職。MOMATで企画した主な展覧会に「フランシス・ベーコン展」(2013年)、「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」(2016年)、「日本の家 1945年以降の建築とくらし」(2017年)、「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」(2021)など。「Logical Emotion: Contemporary Art from Japan」(2014年、ハウス・コンストルクティヴ他)など国外での企画も行う。
https://www.shigamuseum.jp/
MIKIKO
演出振付家
応募資格「国籍、年齢、作品ジャンル不問」。全員に平等に与えられたスペースの中で「自由」に作って良いと言われたら何を作りたいだろう?私も応募される皆さんと一緒に、先の見えないこの時代に何を思い、何を残したいのかを真剣に考えたいと思います。時代の節目節目に先人たちは数々の表現を残してくれました。自分のために、未来のために、「作りたい」と思えた事を見過ごさないために。2021年の秋を記録してほしいです。
PROFILE
ダンスカンパニー「ELEVENPLAY」主宰。
Perfumeをはじめ様々なアーティストの振付やライブ演出、MV・CM・舞台などの振付を行う。
メディアアートのシーンでも国内外で評価が高く、新しいテクノロジーをエンターテインメントに昇華させる技術を持つ演出家として、ジャンルを超えた様々なクリエーターとのコラボレーションを行っている。
加藤育子
スパイラル キュレーター
新型コロナウイルスの猛威によって世界が一変した、昨年。
会う、話す、触れる、実物を知る、笑顔を見る。
私たちはどれほど「出会い」を逸し、そして欲したでしょう。
当たり前だと思っていた社会システムやコミュニケーション方法が変わる中で、
アーティストの皆さんが何を思い、創り出すのか。
今だからこそ出会える、アートの可能性に期待しています。
PROFILE
東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了後、スパイラル/株式会社ワコールアートセンター入社。ギャラリー担当ならびに同チーフ、マネージャー等を経て、現職。現代美術を中心とする展覧会の企画制作業務をベースに、館内の新規プログラム開発なども担当。担当した主な展覧会に「小金沢健人展『煙のゆくえ』」(2016年)、「Rhizomatiks 10」(2017年)、Ascending Art Annualシリーズ「すがたかたちー『らしさ』とわたしの想像力」(2017年)、「まつり、まつる」(2018年)、「うたう命、うねる心」(2019年)など。
西村直子
スパイラル 販売部物販課商品担当チーフ
22回目となるSICFは、生活に携わる分野のものづくりに焦点を当てた展示空間へと変化します。
思いもよらない新たな出会いと飛躍の場となりますように。
使い手に寄り添いながら生まれた作品を通じて、様々な熱い想いを聞かせてください。
あなたの参加が、新しいSICFを作ります。
PROFILE
アパレルメーカー、インテリアショップ勤務を経て、2004年株式会社ワコールアートセンター入社。スパイラルマーケットのテーブルウェアのバイヤー、全店舗を統括するチーフバイヤーを経て、2021年より現職。ヨーロッパを中心とした海外バイイングのほか、日本の産地と協業しオリジナル商品を企画開発するなどスパイラルマーケットの主要なMD業務に携わる。若手作家対象のものづくりについての講義を行なうなどのクリエイター支援活動にも従事。主な企画に、ものづくりにスポットをあてた展覧会「つくりて×えがきて=プロダクトの生まれかた展」(2012年)。