金澤 韻|キュレーター
舘鼻 則孝|アーティスト
山城 大督|美術家・映像作家
山田 紗子|建築家
加藤 育子|スパイラル キュレーター
金澤 韻
キュレーター
SICFほどジャンルを超えたクリエイティビティが試される場もめずらしいのではないでしょうか。審査する側も、出展者のみなさんが繰り出す新しいクオリティを「いったいこれは何なんだ…」と驚きながら受け取るコンペです。応募される皆さんには、この稀有なプラットフォームを存分に生かし、挑戦してもらいたいです。表現には戦略的な要素も求められるので、その点にもぜひ力を注いでください。意欲的な作品に出会えるのを楽しみにしています!
PROFILE
公立美術館勤務後、2013年よりインディペンデント・キュレーターとして活動。メディアアート、漫画、地域とアート、障害とアートなど既存の美術の枠を超える領域を扱い、時代・社会と共に変容する人々の認識を捉えようとする企画を国内外で行う。株式会社コダマシーン共同代表。現代美術オンラインイベントJP共同主宰。

Photo by GION
舘鼻 則孝
アーティスト
素材・技法や領域にとらわれないような自由な表現に期待しています。作家にとっての作品は、「コミュニケーションツール」でもあります。自分の考えや想いを作品を通して伝えてこそ、その作品が存在する意義があり、作家がこの時代に表現するということの価値に繋がると思います。また、SICFに参加することで創作活動を通して「自分にしかできないこと」、自身のアイデンティティーを模索してほしいとも思っています。
PROFILE
1985年、東京都生まれ。東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻卒。卒業制作として発表したヒールレスシューズは、花魁の高下駄から着想を得た作品として、レディー・ガガが愛用していることでも知られている。現在は現代美術家として、国内外の展覧会へ参加する他、伝統工芸士との創作活動にも精力的に取り組んでいる。作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館などに永久収蔵されている。
山城 大督
美術家・映像作家
審査において私が重要視するのは、SICFの限られた展示空間の中で「鑑賞者が何を体験をし、どのように思考するのか」を作家が緻密に設計しているかどうかです。一方、スパイラルホールの立地や、開催時期、SICFの成り立ちや文脈を意識してほしいです。技術やコンセプトや想いだけが先行していないか、何度も再考することで高精度の作品が生まれます。世代や国籍や時代を越える普遍的なテーマを持った作品に出会うのを楽しみにしています。
PROFILE
映像の時間概念を空間やプロジェクトへ応用し、その場でしか体験できない《時間》を作品として展開する。2006年よりアーティスト・コレクティヴ「Nadegata Instant Party」を結成し、全国各地で作品を発表。また、山口情報芸術センター [YCAM] にてエデュケーターとして、オリジナルワークショップの開発・実施や、教育普及プログラムを多数プロデュース。京都芸術大学専任講師。第23回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品受賞。
山田 紗子
建築家
大学生の頃、ドキドキしながら見ていたSICFの展示を審査員として初めて参加させていただきます。見ている私たちの想像力に訴えかけ、さまざまな議論がおこるような力のある作品を楽しみにしています。
PROFILE
1984年東京都生まれ。大学在学時にランドスケープデザインを学び、藤本壮介建築設計事務所で設計スタッフとして勤務の後、東京芸術大学大学院に進学。現在、山田紗子建築設計事務所代表。主な受賞に、第三回日本建築設計学会賞大賞、第三十六回吉岡賞、Under 35 Architects exhibition 2020 Gold Medal, 第三回小嶋一浩賞など。
加藤 育子
スパイラル キュレーター
作品はアトリエで完成するのではなく、見る人・体験する人がいてこそ、「作品」として生きていくことができます。描きためた作品を発表したい、作品をつくるきっかけが欲しい、いろんな人の意見を聞きたい、作品を販売したい、他のアーティストと交流したい、グランプリを獲りたい、新しい仕事を開拓したい・・・。いろんな思いをSICFのブースに詰め込んで、作品を世界に開いていきましょう。ジャンルも、年齢も、キャリアも制限のない、SICFならではのチャレンジを今年も期待しています。
PROFILE
東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了後、スパイラル/株式会社ワコールアートセンター入社。ギャラリー担当ならびに同チーフ・キュレーター等を経て、現在アート事業部 部長・キュレーター。現代美術のキュレーションを軸に、スパイラルが発信するアートの責任者として、各種プログラムやコンテンツの企画管理・ブランディングを行う。主な展覧会に 「棚田康司展『◯と一』」(2011)、「小金沢健人展『煙のゆくえ』」(2016)、「すがたかたちー『らしさ』とわたしの想像力」(2017)、「まつり、まつる」(2018)、「うたう命、うねる心」(2019)など。企画・ディレクション業務に、スパイラル25周年企画「en」(2010)、複合ショップ「MINA-TO」、エデュケーションプログラム「Spiral Schole」など。