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グランプリアーティスト展

SICF20 グランプリアーティスト展

タナカマコト「切りひらひらく」

 
会期:2020 年1月6日(月)− 12日(日) 11:00-20:00 会期中無休
会場: ショウケース(スパイラル1F)
主催: 株式会社ワコールアートセンター
企画制作: スパイラル

 

ユーモアと緻密で高度な技術が織りなす切り絵の世界。

 

 

 

2019年5月に開催した SICF20(第20回スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)に於いて出展クリエイター150組の中からグランプリに選ばれたアーティスト、タナカマコトによる個展「切りひらひらく」を開催しました。

グランプリ受賞作《タダのカミ様》は、自身が生活を送る上で得たレシートをメディアとして、そこに印字された商品名や店名など一部の言葉を残しながら、その言葉の意味から連想された形の神様を多種多様に切り出した作品です。緻密で高度な切り絵の技術はもとより、人間の欲望の証拠とも言えるレシートを神様のフォルムにして浄化するといった、媒体のもつ意味と形の関連づけの独自性が評価され、グランプリを受賞しました。

 


 

本展では、3歳の娘への読み聞かせから生まれた創作童話をモチーフに、会場いっぱいに拡がる切り絵のインスタレーションの新作を発表。アーティストとして精力的に個展を開催するほか、MVやTV制作など、さまざまな場面で切り絵の可能性を拡げる、期待の若手クリエイターによる東京・青山での初個展となりました。

 

 

◼ 出展作品について

 

本展タイトル「切りひらひらく」は、毎晩、即興の創作童話を3歳の娘へ読み聞かせるという作家本人のエピソードをもとにしています。さまざまな動物や人物が登場し、紆余曲折する物語は、一見まとまりのない話のように聞こえますが、最後に娘は満足して眠りにつきます。それは、未知なる完成形に期待を膨らませ、下書きをせずフリーハンドで作品を切り開いてきたタナカの制作態度とも重なっています。

本展では、広辞苑のページを魔女の顔や鳥、葉っぱなどさまざま形に切り抜き繋げた、幅180cm、高さ300cmの樹木が会場内に登場します。会場全体に「ひらひら」と広がる緻密な切り絵と、残された言葉が紡ぐ童話の世界をお愉しみいただきました。

 

Photo: TADA(YUKAI)

 

 

◼ プロフィール

タナカマコト tanaka macoto

1982年生まれ。2006年東京工芸大学芸術学部映像学科卒業。下書きなしのフリーハンドで切り絵を制作、レシートや書籍に印字された言葉を残しながら形を切り抜いたり、写真を切り抜くことで、媒体のもつ意味と切り抜かれた形を関連づける独自のスタイルで活躍する。

主な受賞に、「汐博2010」シオサイト賞。主な個展に、「変身-henshin-」(2018年、サンシャイン展望台 SKY CIRCUS、東京)、「変身-henshin-」 (2016年、GALLARDAGALANTE、京都)。そのほか、ナオト・インティライミ《しおり》MV制作(2018年)、ニトリTVCM(X’mas篇)制作(2014年)、MAJOLICA MAJORCA10周年記念スペシャルムービー制作(2013年)など、さまざまな場面で活躍の場を拡げている。