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SICF26

SICF25 EXHIBITION部門 グランプリアーティスト展

SICF25 EXHIBITION部門 グランプリアーティスト展

Mona Sugata
「Tree of life ーA planet of playing beings.
遊ぶ生命たちの星ー」

 

会期:2025年5月10日(土)ー5月25日(日)11:00-19:00 会期中無休
会場:スパイラルガーデン(スパイラル 1F)東京都港区南青山5-6-23

入場無料

 

主催 : 株式会社ワコールアートセンター
企画制作 : スパイラル
グラフィックデザイン : 田部井美奈

 

Mona Sugata
SICF25 グランプリアーティスト展 EXHIBITION 部門
《-A planet of playing beings.遊ぶ生命たちの星- 》2025 出展作品(一部)

 

 

若手作家の発掘・育成・支援を目的として 2000年から開催しているアートフェスティバル「SICF(スパイラル・ インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)」の第25回 EXHIBITION部門において出展者100組の中からグランプリに選ばれたアーティスト、Mona Sugataによる個展を開催します。

 

Mona Sugata は多摩美術大学で版画を学んだのち、ジュエリーの文字彫り職人などを経て、2020年頃からヨーロッパの服飾文化に見られる伝統的なコテを使った布花を中心とする、現在のシリーズを展開。不滅の生命力を象徴する植物、花々、雑草などをモチーフに布や陶を用いて、古来より身近に息づいてきた畏敬の存在への「祈り」のシンボルをつくり出しています。SICF25の出展作《Tree of Life》は、「生命の樹」という普遍的な題材でありながら、ひとつひとつの布パーツをコテで加工して生まれる有機的なフォルムと独特の表情、それらを組み合わせて展示空間に広がる奇妙な生命感、大きな空間で表現を拡張できる発展可能性が評価され、グランプリを受賞しました。

 

本展では、スパイラルを象徴する吹き抜け空間(アトリウム)を地球という星の縮図と捉え、高さ7mの壮大なインスタレーションに挑戦。星に息づき、遊ぶように変異・進化し、つながりを持って生きている私たちの景色としての「生命の樹」を創出します。「想像力は樹木である。想像力の樹はやがて宇宙の木となり、世界を含みこみ、作り上げる」と哲学者のG・バシュラールが語ったように、Mona Sugataが手作業で生み出す草花たちは、様々な災害や困難を乗り越え、命をつなげたいと願うあらゆる生きものの祈りと、それを表現しようとする人類の根源的な想像力と創作意欲を改めて伝える強さに溢れています。東京・青山で、エネルギーが交わる「生命の樹」。ぜひご期待ください。

 

SICF25 審査員コメント

 

山城大督/美術家・映像作家
本作を目にした瞬間、この手で触れたいと思った。何か自分の中にない、〈智〉を知りたい、〈経験〉をしたいという感情に近いものだろう。いま私たち人類は、この地球の生態系の中で、あまりにも自己中心的な行動を行なってきた歴史について再考する時代を生きている。布を素材とする植物を模したこの造形物に、人々は無形の思いや願いを込めるだろう。そんな余白を持つ作品に、大きな可能性を感じた。この作品が持つ力の、さらなる発展を見たい。

 

プロフィール

 

 

Mona Sugata
1983年東京都生まれ。2009年多摩美術大学絵画専攻版画研究領域博士前期課程修了。
古来から続く“生命としてのわたしたち”として、植物、虫、人間などあらゆる生き物の繋がりや流れを見つめ、いのちを繋いでいく営みの強さや美しさを、花や葉を組み合わせシンボリックに表現する。
受賞歴に、「SICF25」 EXHIBITION部門グランプリ(2024)。主な出展歴に、個展「GRASSLAND」(2024/FALL /東京)、企画展「Sunlight in windows」(2023/AOYAMAHÜTTE/東京)、「Green Constancy」(2024/六本木蔦屋書店/東京)、「ART SESSION」(2024/銀座蔦屋書店/東京)など。

 


 

【同時開催】SICF25 EXHIBITION部門 受賞者展

 

グランプリアーティスト展と同時開催でSICF25 EXHIBITION 部門の受賞者10名が作品を展示します。

スパイラルが選出する、新たな時代をひらくアーティストの表現にぜひご注目ください。

 

参加アーティスト:成山 亜衣(準グランプリ)、村松 英俊(準グランプリ)、八木 温生(金澤韻賞)、楊 脩遠/YANG XIUYUAN(舘鼻則孝賞)、市川 大翔/electrode(廣川玉枝賞)、Shintaro IMATANI × NS(山城大督賞)、小島 平莉(スパイラル奨励賞)、福留 春菜(デイリーアート賞)、青木 咲美(オーディエンス賞A日程)、コトブキレイ(オーディエンス賞B日程)

 

会期:2025年5月10日(土) – 25 日(日) 11:00 – 19:00 会期中無休
会場:スパイラルガーデン(スパイラル 1F)
入場無料

 

 

成山亜衣 | Ai Nariyama【準グランプリ】
1983年大阪府生まれ。2009年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程版画専攻
修了。実態がなく浮遊感のある記憶の像を、物質感のある絵具を使い、動きのない平
面に例えるというスタイルで絵画を制作している。主な受賞歴に、「metasequoia kyomachibori Art Fair 2023」家入一真賞・高橋キンタロー賞受賞、「シェル美術賞2020 アーティストセレクション(SAS)2020」 (中井康之審査委員推薦)など。
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村松英俊 | Hidetoshi【準グランプリ】
1988年静岡県生まれ。2014年京都造形芸術大学(現・京都芸術大学) 美術工芸学科立
体造形コース卒業。2016 年東北芸術工科大学大学院芸術文化専攻彫刻領域修了。
モノや道具など既製品の一部分を大理石などの石に置き換え、モノの一部が石化した、あるいは石がモノの形に物化したイメージの作品を制作している。生活の中にあるモノや道具の歴史に悠久の時を刻む。主な個展に、「time」(2024/CANDYBAR GALLERY/京都)など。「マツモト建築芸術祭」 (2023/長野)などの芸術祭にも参加。
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八木温生 | Haruo Yagi【金澤韻賞】
栃木県出身。2021年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業、2023年武蔵野美術大学
大学院造形研究科修士課程美術専攻彫刻コース修了。ものをつくることと、つくられ出たものを現象として観察するためのメディアとして、プロトタイプ製作、彫刻、物語等を用いる。主な受賞歴に「清水多嘉示賞」(2021)、「ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2023」入選、グループ展に「実験の星」(2022/HIGURE17-15cas/東京)など。
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楊 脩遠 | YANG XIUYUAN【舘鼻則孝賞】
1995年中国安徽省生まれ、2024 年東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修士課程修了、2025年同大学大学院美術研究科デザイン専攻博士後期在籍。自然の力を基盤に、自然に内在するさまざまな要素を創作の源泉として取り入れ、平面、立体、空間を横断する多様な作品を制作。SICF25 では日々の天候を和紙に写しとる《雨の群像》を発表した。主な受賞歴に、「NewOne Awards 2024」 銅賞、「東京TDC 賞 2025」入選、「GRAPHIC DESIGN IN JAPAN 2024」入選など。
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市川大翔(electrode) | Taisho Ichikawa【廣川玉枝賞】
1991年東京生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。ネオン管の特性を活かした作品制作
やバーナーワークを手がけ、近年では吹きガラスの技法も応用したネオン作品の制作に取り組んでいる。日本有数のネオン管技工士に認定され、ネオンサイン技術の継承にも携わる。「光をメディウムとする表現」「手工芸の技術」を軸に、光が生み出す情緒性と光を支える科学技術の双方にアプローチしている。
主な受賞歴に「Brillia Art Award 2024」入選、「LUMINE meets ART AWARD 2020-2021」オーディエンス賞など。
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Shintaro IMATANI × NS(馬詰正 / 内野政明)【山城大督賞】

Shintaro IMATANIとNSのユニット。SICF25 ではXR技術をマンガに応用し、コマ割りを空間で体験しながら世界観に没入できる《Spatial Comic》を発表。
・Shintaro IMATANI:豊田工業大学工学部卒業後、メーカー勤務を経て2021年情
報科学芸術大学院大学[IAMAS]博士前期課程に入学。以降、XR コンテンツの制作を始める。主な受賞歴に「アジアデジタルアート大賞展FUKUOKA」学生/エンターテインメント(産業応用)部門大賞(2021)
・NS(馬詰正 / 内野政明):実写3D(ボリュメトリック)のコンテンツを使ったXR チーム。
「TOKYO NODE XR HACKATHON 2023」ファイナリスト

 

小島平莉 | Heiri kojima【スパイラル奨励賞】
2001年神奈川県生まれ。2025年現在、多摩美術大学大学院美術研究科修士課程デザイン専攻テキスタイルデザイン領域在籍中。個人的な体験を起点に、他者と共有できる社会的な事柄をテキスタイルアートを通じて再考する。主な受賞歴に、「Artists in FAS 2023」選出、「多摩美術大学卒業制作優秀作品」選出(2023)など。
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福留 春菜 | Haruna Fukudome【デイリーアート賞】
1995年鹿児島県生まれ。2020年鹿児島大学教育学研究科芸術・スポーツ学コース工芸領域修了。陶芸における「焼き付ける」という行為を表現の主軸にしており、現代の記録媒体とヒトの刹那的な感情の対比をテーマに制作している。主な受賞歴に、「different 京町堀アートフェア」佐藤由基孝賞(2024)、「鹿児島陶芸展」県知事賞(2018)など。
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青木咲美 | Sakura Aoki【オーディエンス賞 A日程】
2004年東京生まれ。2025年現在、女子美術大学プロダクトデザイン専攻在籍中。「有機物である生物と無機物である稼働機が融合した、新たなる生命体を生み出す」をコンセプトに学業の傍ら作品群を製作。SICF25 では《アンモナイト型潜水艇》と《トンビ型レシプロ機》を発表。紙製と思えぬ精巧なつくりが話題を呼ぶ。主な受賞歴に「JOSHIBISION 2022」100 周年記念大村文子基金女子美美術奨励賞など。

 

 

コトブキレイ | Rei Kotobuki【オーディエンス賞 B日程】
1996年茨城県生まれ。2020年東京藝術大学美術学部建築科卒業。不動産会社/設計事務所勤務を経たのち、個人で活動を開始。癌サバイバー。SICF25では、知らない街や暮らしを垣間見る手段のひとつとして古着に着目。服を介した人々との対話や記憶などを探ったプロジェクトを元にしたインスタレーションを展開。モノが持つ「オブジェクト」としての意味以上の何かを可視化するための制
作を行う。
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