りなの村 「めぐる ことば、めぶく はりこ。」
会期:2025年5月2日(金)ー5月7日(水)11:00-19:00 会期中無休
会場:エントランス(スパイラル 1F)東京都港区南青山5-6-23
入場無料
主催 : 株式会社ワコールアートセンター
企画制作 : スパイラル
グラフィックデザイン : 田部井美奈
主催 : 株式会社ワコールアートセンター
企画制作 : スパイラル
グラフィックデザイン : 田部井美奈
若手作家の発掘・育成・支援を目的として 2000年から開催しているアートフェスティバル「SICF(スパイラル・ インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)」の第25回 MARKET 部門において出展者70組の中からグランプリに選ばれたアーティスト、りなの村による個展を開催します。
「張子」は、それぞれの地域に根ざした題材や材料を活かして文化などを表現する郷土玩具の一種です。りなの村は郷土玩具の流れを汲みながらも、居住している場所にとらわれないものづくりをしたいという思いから「自分の郷土=心が休まる場所」と定義し、誰もが行き交える自由気ままで朗らかな村「りなの村」をつくりだしました。りなの村の作品は、この村に暮らす住人なのです。
審査では「りなの村」のブランド名の発想や、伝統技法とプロダクトデザイン力が融合して生み出された、現代の生活に違和感なく馴染む新しい張子の作品群、展示空間に施された工夫や言葉から伝わる独創的でワクワクさせる世界観と、そのプレゼンテーション力が評価されグランプリの受賞に至りました。
本展では、子どもから大人まで誰もが親しんだことのある言葉遊び「しりとり」をテーマに、言葉と張子がつながる作品を展示、販売いたします。言葉がめぐりめぐって、村に種をまき、ほわりとあたたかな情景が芽吹くことを祈っています。
SICF25 MARKET部門 受賞者展も同時開催いたします。
SICF25 審査員コメント
藤原大/DDI 代表・デザイナー、クリエイティブディレクター、美術家
「りなの村」は、主に紙と貝殻の粉でつくられる張子作品。タイトルもわかりやすかった。ブースを訪れるお客さんは、本人がものづくりを説明する前に「なーんとなく」経済と環境を理解しちゃっていた。このエコな作品は、広く日本社会に根付いている伝統文化という分厚い天井を軽々突き破ってなんとグランプリをとった。張子は昔から人の心にすぐ届くスピード感あるユニバーサルなメディアの一つと思う。ノムラさん、今度は海外にも村をつくろう。
白本由佳/アートディレクター、グラフィックデザイナー
「張子という郷土玩具をうまく自分独自の新しい「村」へと作り上げている点が秀逸でした。張子たちそれぞれにストーリーがあり、眺めているだけでワクワクする展示となっていました。また、置いて飾るだけでなく壁に取り付けて楽しめる作品もあり、新しい張子の楽しみ方を提案されていたように思います。張子の特徴でもあるやさしい曲線や軽やかさも上手く生かされており、思わず自分の生活の中に連れて帰りたくなるような魅力がありました。
プロフィール
りなの村 | rina no mura
1994年鹿児島県生まれ。
2017年静岡文化芸術大学デザイン学部卒業。デザイン事務所勤務を経て、2021年より張子制作を開始。「自分の郷土=心が休まる場所」と自分なりに定義し、誰もが行き交える自由気ままで朗らかな「村」を作る。張子紙に胡粉という昔ながらの技法を踏襲しつつ、現代の技術を合わせた独自の製法で制作。気張り過ぎないちょっとだけ前向きな言葉を添え、心がふっとほどけるような「村」を目指す。主な受賞歴に、「GOOD DESIGN AWARD 2020」(2020)、「Doodle 4Google 2009」部門最優秀賞(2010)など。
【同時開催】SICF25 MARKET部門 受賞者展
グランプリアーティスト展と同時開催でSICF25 MARKET 部門の受賞者4名が作品を展示販売します。
会期:2025年5月2日(金) – 7日(水) 11:00 – 19:00 会期中無休
会場:エントランス(スパイラル 1F)
入場無料
atelier yamani 【準グランプリ】
1994年アメリカフロリダ州生まれ。
ブラジルでマクラメアーティストとして活動していた母の影響により2020年から創作活動を始める。結びの技法であるマクラメをベースに、タペストリーなどのインテリアを制作。「身につけられるアート」をコンセプトに、タペストリーの世界観を小さな耳飾りに表現した装身具シリーズも展開している。
ミヤウチモネ | Mone Miyauchi 【白本由佳賞】
2000年東京生まれ。
2025年多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程工芸専攻ガラス研究領域修了。ガラスの特性と自身の表現の調和を探ることをコンセプトに、日常に溶け込むアートピースとプロダクト製品の間のような作品を目指している。またガラスの「やわらかいかたち」を大切にし、型を使わない宙吹き技法で制作している。
AMOC PROJECT | En Kayou 【鈴木啓太賞】
1998年中国浙江省生まれ。
2025年東京藝術大学大学院デザイン科修了。周囲に潜む、まだ見出されていない本質的な価値を具象化することをテーマに、プロダクトやオブジェなどの立体作品を制作している。
イシクラカズマ | ISHIKURA KAZUMA 【藤原大賞】
1978年西東京生まれ、埼玉育ち。
家具のデザインの仕事をするかたわら、オーダー家具などの製作の際に出る木の端っこを使って小物を作ります。廃材になりかけの材料を見ながら、新しいカタチを考えます。