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受賞者一覧

受賞者一覧

SICF25受賞者一覧

EXHIBITION部門11組と、MARKET部門6組の受賞者を審査員のコメントとともに紹介します。


EXHIBITION部門

グランプリ

 

Mona Sugata

 

<作品タイトル>

Tree of life

 

<作品について>

古代より歴史の中で多く用いられてきたシンボルやテーマに惹かれ、テクノロジーの発展により簡単に素晴らしいものが作れてしまう現代でも、そういった人の血肉の温度や手仕事を愛して探求し、制作しています。
今回のタイトルにある【Tree of life】は、旧約聖書に記されている生命の樹をモチーフに落とし込んでおり、樹の周期である、枯れ、再生、葉の繁茂、開花、結実は、とても人間的であり、人間もまた植物的に営みを繰り返しているということを表現しています。
根は祖先との深く続く繋がり、幹や枝は強さと知恵、葉は希望と再生、復興を意味しています。
生命の樹とは、宇宙にあるもの全ての命を意味し、私たちが皆同じであることを表しています。
私たちは皆、多種多様な外見、アイデンティティを持ちながら同じ一つの大地に根を下ろし、目に見えない深いところで、同じ命、感覚、祖先までも共有し、幾多の天災、病、寿命に晒されながらも、無数の息吹を絶やすことなく、再生し続け、営みを絶やすことはありません。

 

<受賞コメント>
今回限られたこの空間で、自身の表現を鑑賞者にどう感じてもらうかを何度もイメージし制作しました。意図を深く考察することは「作ることで人に伝えていく」覚悟や怖さを再認識することでもありました。社会人としてのブランクを経ての出展で、このような賞を頂き、今後の活動の後押しをいただき、何歳からでも再挑戦できるこのSICFという場所に感謝しかありません。本当にありがとうございました。

 

<審査員コメント>

■金澤韻/キュレーター

布を貼り合わせて作った植物モチーフの作品。花弁や葉や根といった、薄い肉のような表現が、手のひらや爪、鶏冠、魚の鰭、あるいは生き物のミイラの一部を連想させ、奇妙な生命感を醸し出しています。褪せたような淡い色彩が古い博物誌に描かれた植物のようでもあり、人間と植物を隔てる線引きがもっと曖昧だった時代の世界の捉え方をほうふつとさせます。小さい造作から、祭壇の印象をもつ「生命の木」へ発展した経緯を伺いながら、創作に宿る魂と、命そのものとの関連について思いを馳せました。

 

■山城大督/美術家・映像作家

本作を目にした瞬間、この手で触れたいと思った。何か自分の中にない、〈智〉を知りたい、〈経験〉をしたいという感情に近いものだろう。いま私たち人類は、この地球の生態系の中で、あまりにも自己中心的な行動を行なってきた歴史について再考する時代を生きている。布を素材とする植物を模したこの造形物に、人々は無形の思いや願いを込めるだろう。そんな余白を持つ作品に、大きな可能性を感じた。この作品が持つ力の、さらなる発展を見たい。

 

【略歴】

1983年 東京都生まれ
2009年 多摩美術大学博士前期課程 絵画専攻版画研究領域 修了

 

【主な受賞歴】
2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 グランプリ
2008年 「山本鼎版画大賞展」 入賞

 

【主な活動】
2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 (スパイラルホール/東京)
2024年 企画展 hanataba koenji
2023年 「sunlight in windows」 AOYAMAHÜTTE
2006年 企画展 Key gallery
2003年 二人展 gallery spacekids

 


 

EXHIBITION部門

準グランプリ

 

 

成山 亜衣

 

<作品タイトル>

(左)out of focus #2024-4
(正面)out of focus #2024-5
(右)out of focus #2024-6

 

<作品について>

目の前にリンゴがあるとする。私達は、カメラで被写体を捉えるようにリンゴを見ているだろうか。

実際はリンゴだけを見ておらず、網膜の更に奥にある何らかの記憶の断片の像とを、混ぜ込ませたナニカを見ている……外と内を行き来する、そんな見方が日常で起こっている。物理的に存在している像とは全く違う存在感を放つ記憶の像を、そして、焦点など全くない記憶の像を、疑って見つめ、表現したくなった。記憶の像というのは、眼のゴミのようにゆっくり動き、一部欠落し、色や形においては、曖昧さもある。さらに平面表現において、物質感のないものを、絵具という物質に置き換えなければならないとすれば、必ず差異ができてしまう。ので、単に、記憶の像そのものを描写しようとするのではなく、記憶の像の特徴を抽出し、絵の具で置き換えるとどういう画面になるか……という事をしている。つまり、画面的には具体、行為的には抽象……といった作品を制作している。

私的な絵日記にしたくなかったので、取り留めのないスナップ写真をSNSで大量に見て、一旦頭に焼き付け、頭に残った記憶の像をモチーフとしているが、ディープラーニングとは違った見え方がするのは、私達には、不可視なもを見つめる眼と感覚が備わっているからかもしれない。

 

<受賞コメント>

この度は、光栄な賞に選出してくださり、有難うございました。
多くの作家が、各地で直向きに制作をし続けている……その事実を再度実感し、刺激的な3日間となりした。
作品については、思うところへ行き着いておらず、これからも考えを巡らしながら精進してゆきます。
これまで様々な導きや言葉を与えてくださった方々、作品をご覧いただいた多くの方々、お世話になった運営の方々、そして「SICFにてみたら!?」と背中を押してくれた友に、深く感謝いたします。

 

<審査員コメント>

■舘鼻則孝/アーティスト

本年の「SICF25」出展者の中で、成山亜衣さんほど絵画というフォーマットに対して純粋に向き合った作家はいなかったのではないでしょうか。SNSに情報が溢れる現代社会の中で、作家自身の脳裏に焼き付いたイメージをキャンバスに現像するかのようなプロセスで再構築された作品の内容は非常にユニークで、一見して読み解くことが難解にも思える画面ではありますが、鑑賞者が時間をかけて対峙するなかで、様々なモチーフを発見する楽しさを内包した作品でもあります。

 

■加藤育子/スパイラル キュレーター

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【略歴】
1983年 大阪府生まれ
2007年 京都嵯峨芸術大学 造形学科 版画分野 卒業
2009年 京都市立芸術大学大学院 美術研究科 修士課程 版画専攻 修了

 

【主な受賞歴】

2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 準グランプリ
2023年 metasequoia kyomachibori Art Fair 2023 / 家入一真賞・高橋キンタロー賞

 

【主な活動】
主な個展
2018年 ギャラリーモーニング(京都) ※以降19,20,21,22,24年に開催
2013年 Oギャラリー(東京) ※以降18,20年に開催
2010年 Oギャラリーeyes(大阪) ※以降2021年まで毎年開催

主なグループ展
2024年 FACE 2024 損保ジャパン日本興亜美術賞(損保ジャパン日本興亜美術館/東京)
2023年 大阪アートフェスティバル(大阪府立江之子島文化創造センター/大阪)
2022年 未景(御寺/京都)
2020年 シェル美術賞アーティストセレクション(SAS)2020、中井康之審査員推薦(新国立美術館/東京)
2019年 FACEX 2019 損保ジャパン日本興亜美術賞(損保ジャパン日本興亜美術館/東京)
2018年 シェル美術賞2018(新国立美術館/東京)
2012年 トーキョーワンダーウォール2012(東京都現代美術館/東京)
2010年 トーキョーワンダーウォール2010(東京都現代美術館/東京)


EXHIBITION部門

準グランプリ

 

村松 英俊

 

<作品タイトル>
time

 

<作品について>

人の手で生み出されたものを石にして残したい
ものの時間を止めているような、新たな時間を創り出しているような
石化していくイメージ
いずれは朽ちていくものたち
数千年、数万年後、石だけでも残っていたら、そのものが存在した証になれないだろうか
遠い未来に欠片だけでも残せたら

 

私たちの身の回りにあるもの、人の手によって作られたもの。人間がいなければ生まれなかったかたち。人類が生まれるよりもはるか昔、約40億年程前から地球に存在していた石。その膨大な時間に比べたら人の歴史なんて一瞬のこと。その一瞬の間に人は様々なものを創り出してきた。石に作り変える。人間が創り出したものを自然に回帰させるような、遠い未来にまで届く化石を創り出しているような。

 

<受賞コメント>

この度は光栄な賞を頂き、ありがとうございます。来場者、出展作家の皆様と多くの言葉を交わし、様々な気づきを得ることが出来ました。今後の制作に活かしていきたいと思います。主催者、審査員の皆様、SICFに関わるすべての皆様に心より感謝申し上げます。

 

 

<審査員コメント>

■舘鼻則孝/アーティスト

誰もが見たことあるような既製品の一部を大理石に置き換えることで完成された村松英俊さんの作品は、鑑賞者の目を欺くほどの完成度と緻密な手しごとによって成り立っています。特にブース内の隅に設置された大理石製コンセントプレートは、来場者の半数以上が、それが作品だということに気づいていないのではないでしょうか。オブジェクトがあることでこそ成立するような空間の捉え方には、作家の感性と独自性を感じました。

 

■廣川玉枝/デザイナー

現代の工業製品の一部を石化することで、モノや道具の存在自体を変化させ、人間が創造したあらゆる文化の痕跡を未来に残せるというロマンティックな作品です。墓石化した道具のような、身体の一部が石化したバイクやギターなどを見るともの悲しい雰囲気もあり不思議な感覚を得ました。1点ずつの作品完成度の高さも素晴らしく、どんなものでも石化できるというお話と、部屋の一部を石化するなど空間を対象とした発展も視野にあり今後の展開にも可能性を感じました。

 

【略歴】
2014年 京都造形芸術大学(現・京都芸術大学) 美術工芸学科 立体造形コース卒業
2016年 東北芸術工科大学大学院 芸術工学研究科 芸術文化専攻 修士課程 彫刻領域修了
モノや道具など既製品の一部分を大理石などの石に置き換え、モノの一部が石化した、あるいは石がモノの形に物化したイメージの作品を制作している。生活の中にあるモノや道具に悠久の時を刻む。

 

【主な受賞歴】
2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 準グランプリ

 

【主な活動】
主な個展
2024年 「time」(CANDYBAR Gallery/京都)
2023年 「村松英俊彫刻展」(いりや画廊/東京)
2022年 「with stone」(日本橋高島屋美術画廊X/東京)
2019年 「stone tools」(日本橋高島屋美術画廊X/東京)
2018年 「村松英俊展」(steps gallery/東京)
2017年 「そこにあったかたち」(GALLERY MARONIE/京都)

主な芸術祭
2024年 「マツモト建築芸術祭2024 ANNEX」(長野)
2023年 「マツモト建築芸術祭2023」(長野)
2022年 「BIWAKOビエンナーレ」(滋賀)
2017年 「3rd INTERNATIONAL SCULPTURE SYMPOSIUM」(インド)

 


EXHIBITION部門

金澤韻賞

 

ヤギハルオ

 

<作品タイトル>

製造装置=庭

 

<作品について>

自然現象から採集してきた要素を、もう一度システムに組み込んでシミュレーションしつづける。キカイとして、装置として活動・機能しつづけるが、それらも、またやがて現象に近寄って行く。
個別の稼働する箱庭的な装置を構成することで、全体でもう一つの環境=庭を設定し、観測する。
砂—固体/流体—音/振動−固有振動−形−つくる−そのほか

 

<受賞コメント>

作品とその間のことで行ったり来たりすることに一杯であったため、結果については驚くばかりです。改めて、関わって下さった方、見に来て下さった方々に感謝したいと思います。今回の機会自体も、短いながら貴重な体験だったと感じています。これからまた活動を展開させていきたいと思っています。

 

<審査員コメント>

■金澤韻/キュレーター

「これは砂を運ぶものなんです」と作家が説明する、アドホックなその動力付き装置は、しかし砂をきちんと運べません。3つの展示物それぞれがそんな感じで、変わった目的のための不完全なシステムを備え、全体に原始の石油掘削設備のような趣の一角を作り出していました。私たちの世界に起こるなんらかの事象にフォーカスし測定する、実験装置……の実験なのだと感じました。それらを見ていると、測定される側の名付け難さ、私たちの世界のワンダーへと心が開かれていきます。

 

【略歴】

栃木県出身
2021年 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科 卒業
2023年 武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻彫刻コース修了
「もの」と「かたり」について。それらを観測、引き取る器も含めた中で、様々なメディアを用いて試行する。

 

【主な受賞歴】

2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 金澤韻賞
2023年 「ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2023」入選
2021年 「清水多嘉示賞」

 

【主な活動】

主なグループ展
2023年 「ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2023」(新丸ビル3階アトリウム/東京)
2023年 「東京五美術大学連合卒業・修了製作展」(国立新美術館/東京)
2023年 「武蔵野美術大学卒業・修了製作展」(武蔵野美術大学/東京)
2022年 「実験の星」(彫刻と対話法会期2)(HIGURE17-15cas/東京)
2021年 「移動する視点、通路の彫刻」(メトロ銀座ギャラリー/東京)
2021年 「東京五美術大学連合卒業・修了製作展」(国立新美術館/東京)
2019年 「ステューデントアートマラソンvol.15」(blanclass/神奈川)
2019年 「小平アートサイト〜よりみち芸術〜」(小平中央公園/東京)
2019年 「コネクト」(武蔵野美術大学課外センター/東京)
2018年 「ヨニズム」(武蔵野美術大学/東京)

 


 

EXHIBITION部門

舘鼻則孝賞

 

楊 脩遠/YANG XIUYUAN

 

<作品タイトル>
雨の群像

 

<作品について>
「雨」は自然が平衡状態の中で創り出す、極めて生命力に満ちた物質である。見かけは無形のように思えるが、実際には有形になる。雨粒が落ちることで形成される不規則な痕跡は、自然が大地の上に書き残す最も原始的な情報である。
本作は落水紙の制作方法を用い、自然の原始的な情報を記録した。これは単純に自然を表現するのではなく、自然と共に創作する手段を通じて、自然界で最も神秘的で不可思議な感動を探求するものである。私は1年かけて、毎日の天気状況に応じて紙パルプを調整し、室外に放置し、毎日の自然の変化により、紙には異なる痕跡が形成された。最終的に365枚の紙から雨の紙を選び出し、1年間の「雨の群像」を構築した。本作の根本は自然の奥に潜む原理と魅力を持続的に観察し、そこから引き出した情報表現の可能性を視覚化する実験的なアプローチである。これによって、自然の表情から溢れ出る力強さや情報を体験してもらいたいと考えている。

 

<受賞コメント>
この度は、舘鼻則孝さんの審査員賞を頂き誠に感謝いたします。
「雨の群像」は昨年の一年間にわたる継続的な創作ですが、審査員の皆様やご来場の方々から頂いたフィードバックにより、このシリーズの創作におけるさらなる可能性を感じることができました。今後も、引き続き創作活動に励んでまいります。

 

<審査員コメント>

■舘鼻則孝/アーティスト

365日を費やして作家自身の住む東京の天候を和紙に写し取るという実験的な作品群の背景には、自国の故郷が紙の産地であり幼少期に学校で紙づくりを学んだという体験と記憶に裏打ちされています。故郷から離れた地でも、自身の原風景と交わり合う要素を創作活動に取り入れていることに感銘を受けました。今後も、滞在する様々な地域で同様のプロセスを経て作品を制作したいという想いも伺い、作家活動の将来性にも期待が持てると感じました。

 

【略歴】
1995年 中国安徽省出身
2019年 天津美術学院プロダクトデザイン学科 卒業
2024年 東京藝術大学大学院美術研究科博士前期課程 修了
2024年 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程 在籍

 

【主な受賞歴】
2024年  「SICF25」 EXHIBITION部門 舘鼻則孝賞
2024年 第72回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 デザインN賞
2019年 韓国KSBDA FALL INTERNATIONAL CONFERENCE国際作品展 入選

 

【主な活動】
2024年  「SICF25」EXHIBITION部門(スパイラルホール/東京)
2024年 第72回 東京藝術大学卒業・修了作品展 (東京藝術大学美術館/東京)
2019年 韓国KSBDA FALL INTERNATIONAL CONFERENCE国際作品展(DDPデザイン博物館/ソウル)
2017年  ICL現代国際デザインアート先鋒展 (天津美術学院美術館/天津)

 


EXHIBITION部門

廣川玉枝賞

 

electrode

 

<作品タイトル>

Light Ways

 

<作品について>
一連の作品は「情景と光源」をテーマとしています。
ネオンサインは、単なる広告媒体に留まらず、経済成長を背景にした煌びやかな都市風景の演出において、文化的にも重要な役割を果たしてきました。
ネオン管はネオンガスやアルゴンガスを封入し、高電圧をかけることで発光します。
人々の欲望や夢が交錯する儚い時代を、放電という科学現象が静かに、淡々と照らし続けました。

ネオン管とガラスのオブジェを都市に見立てた作品では、光の線が情景を形作る様子を表現しています。
絶えず変化するガスの軌道は、エネルギーを消費しながら成り立っている都市と情景の相互作用を照らし出すメタファーとして機能します。

シャンデリアのモチーフは、時代とその中の人々の憧憬を反映する光源として、ネオンとの共通点を見出しています。
シャンデリアは教会や修道院を照らす蝋燭照明として始まり、豪華な装飾が施され、時代の象徴となりました。
使用されるガスの総称「貴ガス(noble gas)」とモチーフのイメージを掛け合わせています。

 

<受賞コメント>

ネオン管というメディウムを扱う私にとって、この賞をいただけたのは意外で、大変嬉しく思います。
最近は設備づくりや技術習得に追われ、制作が滞ることもありました。
そんな中、展示においては、他の皆様の作品からそれぞれの苦労や創意工夫に触れることができ、大きなモチベーションになりました。
改めまして、貴重な機会をくださった主催、関係者の皆様、そして来場者の皆様に心から感謝申し上げます。

 

<審査員コメント>
廣川玉枝/デザイナー
暗闇の中、躍動する生命のような不思議な動きに魅了されました。ネオン管でしか表現できない光が美しく、ノスタルジックでもあります。このネオン装置を作るため、ガスと吹きガラスの設備を導入し、今後も自在にネオンを作れる環境を整えたという点においても作者からネオンに対する情熱と愛が伝わりました。工芸技術の観点からも今後の発展に期待しています。

 

【略歴】
1991年、東京都生まれ。2014年、早稲田大学社会科学部卒業。
「メディウムとしての光」「手工芸の技術」を軸に、ネオンサインの特性を活かした作品の制作、バーナーワークを手がける。光が生み出す情緒性、光を生み出す技術の双方にアプローチをする。
 

【主な受賞歴】
2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 廣川玉枝賞
2024年 「Brillia Art Award 2024」 入選
2022年 「KAWAKYU ART Exhibition 2022」 審査員推薦アーティスト
2021年 「LUMINE meets ART AWARD 2020-2021」 オーディエンス賞

 

【主な活動】
2024年 SICF25(スパイラルホール/東京・表参道)
2023年 個展 「Diffusion」 (ギャラリーDiEGO/東京・表参道)
2022年 SICF23(スパイラルホール/東京・表参道)
2022年 「KAWAKYU ART Exhibition 2022」 (川久ミュージアム/和歌山・南紀白浜)

 


 

EXHIBITION部門

山城大督賞

 

Shintaro IMATANI × NS

 

<作品タイトル>

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<作品について>

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<受賞コメント>

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<審査員コメント>

■山城大督/美術家・映像作家

本作は、VRとマンガがマリアージュした新しい鑑賞体験を生み出すプラットフォーム的作品である。VRグラスを装着することで、目の前の壁面に大型画面のマンガが出現する。実空間に現れる〈かりそめ〉のマンガに手を当てページをめくると、マンガのフレームから飛び出した登場人物たちが、息遣いを感じるようなリアリティで立ち現れる。SICFの特徴である1,650mm幅の限りあるブースを痛快に飛び出すその想像力は、鑑賞者を巻き込みさらなる未来の表現を生み出すだろう。

 

【略歴】

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【主な受賞歴】

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【主な活動】

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EXHIBITION部門

スパイラル奨励賞

 

小島 平莉

 

<作品タイトル>

23歳の秘密基地

 

<作品について>

23歳になり、秘密基地を作ることにした。
私は今、⻘年期の終わりと成⼈期の始まりの狭間にいる。年齢的には成⼈しているけれど、社会的には⼤⼈でも⼦どもでもない扱いを受けている。まだ⼦どもでいたかったという気持ちを持ちながら、⼦どもではいられないことも理解している。そのような不確かでちょっと不安な時間を過ごす中で改めて、幼少期に作った「秘密基地」について考えてみた。
⼩学校3年⽣の時、親友の住むマンションのそばの公園に登るのに丁度いい⾼さの変な形の⽊があったので、そこに親友と⼆⼈で秘密基地を作った。⽊の枝が部屋を2つ作るように伸びていて、中央が居間、左右のスペースがそれぞれの部屋という⾵に決めて、家から古布や紐、ハンガー、傘(屋根⽤)をこっそり持ってきて枝に引っ掛けた。私たちは放課後になると、その秘密基地に登って部屋を育てた。学校でも、家でもない閉じた空間で私たちは秘密をたくさん共有した。
今の私は、あの空間がとても恋しい。当時は意識していなかったものの、あの秘密基地は、「安⼼して話せる対話空間」や「癒し」、「⾃⼰発⾒の場」になっていたように思う。「自分たちだけの場所が欲しい」という思いが、当時の私たちを秘密基地制作へと駆り⽴てた。たとえひとときでも「今」から逃避して、閉じた空間で他者と「不確かで不安な時期の気持ち」を共有することで、現実を⽣きるための活力を得たい。

 

<受賞コメント>
この度はスパイラル奨励賞に選定頂き、誠に光栄です。SICFのブースの形に応答するようにインスタレーション作品を設置しました。搬入時も友人3名とともに、実際に秘密基地を作るような気持ちで搬入しました。また、素材や分野の垣根を超えた、たくさんのクリエイターの方々との交流も新鮮な体験で、最初から最後までとても楽しいイベントでした!今後も制作に邁進して参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

<審査員コメント>

■加藤育子/スパイラル キュレーター

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【略歴】
2001年 神奈川県出身
2020年 多摩美術大学交換留学制度 グラスゴー芸術大学に留学
2023年 多摩美術大学 美術学部 生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻 卒業
2024年 多摩美術大学大学院 修士課程美術研究科 デザイン専攻 テキスタイルデザイン領域  在学中

 

【主な受賞歴】

2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 スパイラル奨励賞

 

【主な活動】
2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 (スパイラルホール/東京)
2023年 制作・展示支援プログラム Artists in FAS 2023(藤沢市アートスペース/神奈川県)
2023年 東京DESIGN FESTA Vol.58 ライブペインティング(東京ビッグサイト)
2023年 「KHiO×TAU国際共同教育プロジェクトconnecting wool」(ノルウェー大使館、オスロ国立美術館)
2023年 「多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻卒業制作展Baumkuchen」(スパイラルガーデン/東京)
2023年 「多摩美術大学卒業制作優秀作品選抜展」(多摩美術大学八王子キャンパス/東京)
2022年 「Glasgow School of Art Year 3 Fashion & Textile showcase」(スコットランド・グラスゴー)
2022年 「多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻3年生選抜展 In Progress」(LIGHT BOX STUDIO AOYAMA/東京)

 


 

EXHIBITION部門

デイリーアート賞

 

福留 春菜

 

<作品タイトル>
(正面後方)archiブス
(正面前方)inside you
(右側)flower vase

 

<作品について>

今回の私の作品の根源にあるのは劣等感や羨望の意識、エゴイズムなどといった負の感情による
ものです。それらは日常的に見えないネットワークが張り巡らされ、いつでも誰とでも繋がることができる現代だからこそ感じ得るものであると認識しています。
「archiブス」はインスタグラムを眺めている際に感じる他者の自己顕示欲や承認欲求を昇華させたいという思いから生まれた作品です。ある時、簡単に投稿や消去することができるこれらの媒体は、実態のない陶のようだと感じました。陶土は一度焼いたら土に還ることができません。SNSは一度投稿すると、その後投稿を消去したとしてもどこかの場所でデジタルタトゥーとなり永久的に保存されています。アナログであり実態のある陶と、対照的な立ち位置にあるSNS。まるで異なる存在のように感じますが、人類の祖が狩猟の方法を伝える手段として土壁に顔料を用いて絵を描いたように、現代の人間もSNSを投稿しているように感じるのです。SNSの膨大な写真たちが投稿した人間よりも永く生き続けるように、デジタルタトゥーがアナログなタトゥーとして世界に残るようにという思いを込めて制作しました。

 

<受賞コメント>
工芸を基軸に表現をしている身として、生活と美を繋ぐデイリーアート賞に選定していただいたこと大変嬉しく光栄に思います。
SICFは初めての出展でしたが、作家や来場者の方々との交流によって刺激を受けることができました。多くの方にフィードバックをいただけたことが自身の表現を拡張するきっかけになり、私にとってこの3日間は特別な時間となりました。関係者の皆様、ご来場いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

 

<審査員コメント>

■加藤育子/スパイラル キュレーター

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【略歴】
1995年 鹿児島県生まれ
2020年 鹿児島大学教育学研究科芸術・スポーツ系学修コース 工芸領域修了

 

【主な受賞歴】
2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 デイリーアート賞
2021年 鹿児島県美展 霧島アートの森賞
2018年 鹿児島陶芸展 県知事賞

 

【主な活動】
2024年 「SICF25」 EXIBITION部門(スパイラルホール/東京)
2024年 グループ展「knocknock」(zenzaiマージナルギャラリー/鹿児島)
2024年 個展「わたしたちの旅」(aview/鹿児島)
2023年 個展「淵?にて」(gallery HINGE/鹿児島)

 


 

EXHIBITION部門

オーディエンス賞 A日程

 

青木 咲美

 

<作品タイトル>
INORGANIC
(奥作品) MILVUS-58機
(手前作品)AMMON-PHINCⅡ

 

<作品について>

「有機物である生き物と、無機物である稼動機の間に存在する、新たなる生命体」をコンセプトに、アンモナイト型潜水艇とトンビ型レシプロ機を制作しました。コンセプトで有る生物や実機、化石など、それぞれの生物に関する資料などをもとに緻密に計算、デザインし制作しています。
生物が心臓を拍動させ、体液を循環し、命を宿すのなら、同じようにエネルギーを循環させ、ピストンを稼働させて動く無機物の彼らにもある種の『命』が宿るのではないでしょうか。また、命のないはずの無機物の彼らに我々が魅せられるのは何故でしょうか。そんな疑問を具象化した存在とも言えます。
2作とも紙を主材に作られています。たった一枚の紙では、破れやすく折れやすい脆い素材ですが、何枚も重なったり、厚みが変化すれば本作のような全く異なる素材へと変化できます。その変化の面が、生物が時代を経るごとに消えては生まれ、姿存在を変化させるという「千変万化」というワードが素材共に共通し、だからこそ私は紙にこだわるのです。

 

<受賞コメント>
この度はこのような賞を頂き大変嬉しいです。多くの方と交流した中で新たなる発見、目標を作ることもできました。今回で得られた経験を、今後の作品制作と将来に活かしていきたいと思います。

 

【略歴】
2004年 東京都出身
2023年 女子美術大学デザイン工芸学科プロダクトデザイン専攻入学、現在在学中

 

【主な受賞歴】
2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 オーディエンス賞 A日程
2023年 女子美術大学附属高等学校卒業制作展 大村文子賞

 

【主な活動】
2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門(スパイラルホール/東京)
2024年 学内有志展示会 JOSHIBIラボ ターム4(女子美ラボスペース/東京)
2023年 女子美術大学附属高等学校卒業制作展(東京美術館/東京)
2023年 学内有志展示会 JOSHIBIラボ ターム2(女子美ラボスペース/東京)


EXHIBITION部門

オーディエンス賞 B日程

 

コトブキレイ

 

<作品タイトル>

ghost package(neighborhood closetのアイテムをもとに制作)

 

<作品について>
これまで私は所謂「まちづくり」と呼ばれる仕事に携わってきました。私にとって、知らない街や暮らしを垣間見る手段のひとつが、古着を介した人々との対話であり、neighborhood closetと題して集めた洋服たちは、そのコミュニケーションの集積であると言えます。街で出会ったおばあちゃんたちから譲り受けた古着を、彼女たちの思い出とともにアーカイブし、古着に添えていくことで、古着が古着というオブジェクトの意味以上の何かを感じさせる、奥行きある存在となって欲しいと思っています。
今回は、その古着たちのはらむ「気配」をテーマに、インスタレーションを制作しました。一枚の膜を被せることで、あえて存在が曖昧になり、古着を前にした人々は内なる存在に思いを馳せる。その中には、思い出の詰まった古着が息を潜めている。以前の所有者と新たな所有者が、接点のなかったはずの隣人が、古着を介してつながっていく。古着を用いて、記憶やコミュニケーション、愛着といったものの可視化を試みました。

 

<受賞コメント>
このような発表の機会及びオーディエンス賞をいただき、大変光栄です。自身のアート作品として初めての制作及び出展でした。今回の学びを胸に、これからさらに自分なりの表現ができるよう、日々場や空間、街と関わっていきながら、試行錯誤していきたい所存です。この度は本当にありがとうございました。

 

【略歴】

1996年 茨城県出身
2020年 東京藝術大学美術学部建築科卒業
不動産会社/設計事務所勤務を経たのち、個人で活動を行っている。

 

【主な受賞歴】

2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 オーディエンス賞 B日程

 

【主な活動】
2024年 「SICF25」 EXHIBITION部門 出展

 


MARKET部門

グランプリ

 

りなの村

 

<作品について>
郷土玩具は、その地方ならではの題材や材料を活かし文化などを表現した物で「張子」もその一種です。居住している場所にとらわれない物作りをしたいという思いから、「自分の郷土=心が休まる場所」と定義し、本名の「野村梨奈」を逆さにし「りなの村」を作りました。作品はこの村に暮らす住人なのです。
言葉や状態の面白さから連想することが多く、作品のビジュアルと同等にタイトルやコンセプトを大切にしています。
例えば、飾ってしまうとただのボートを漕ぐ少年ですが、
“大航海ボウヤ”
「自分のペースでのんびりすすむ ラッキーアイテムは救命胴衣と白い灯台」といった、気張り過ぎずちょっとだけ前向きな言葉を添え、心がふっとほどけるような張子の住人が暮らす村を目指しています。
基本の制作方法は、張子紙と胡粉という昔ながらの製法を踏襲しつつ、粘土で作った型を3Dスキャンしデータ化した型を3Dプリンターで複数作る、など現代の技術も活用しています。
「村」という漢字には「人が腰を落ち着けられる木のある場所」という成り立ちがあり、言葉の通り、誰もが行き交える自由気ままで朗らかな村に育ててゆきたいです。
みなさんのもとへ住人達が移住し「りなの村」が密かに広がっていくことを目指し、目下開墾中。

 

<受賞コメント>

この活動を始めてからちょうど3年、このような光栄な賞をいただけたことを大変嬉しく思います。拙いプレゼンに真摯に耳を傾けてくださった審査員の方々、作品をご覧くださったみなさま、誠にありがとうございました。様々なバックボーンや思考を持ち制作に励む作家さんとの刺激的な3日間が、何よりも今後の糧になる気がしています。より多くの人の心に響く楽しい作品を届けられるよう、自分のペースで精進して参ります。

 

<審査員コメント>

■白本由佳/アートディレクター、グラフィックデザイナー

張子という郷土玩具をうまく自分独自の新しい「村」へと作り上げている点が秀逸でした。張子たちそれぞれにストーリーがあり、眺めているだけでワクワクする展示となっていました。また、置いて飾るだけでなく壁に取り付けて楽しめる作品もあり、新しい張子の楽しみ方を提案されていたように思います。張子の特徴でもあるやさしい曲線や軽やかさも上手く生かされており、思わず自分の生活の中に連れて帰りたくなるような魅力がありました。

 

■鈴木啓太/PRODUCT DESIGN CENTER代表、デザイナー、クリエイティブディレクター

伝統的な針子と独自のキャラクターデザインが交わり、唯一無二の世界観が発信される取り組みです。可愛らしいキャラクターが「りなの村」という仮想地域の文化を表現し、魅力的な展示方法で欲しさを喚起します。来年の展示でさらに村が拡がることを楽しみにしています。

 

■藤原大/DDI 代表・デザイナー、クリエイティブディレクター、美術家

「りなの村」は、主に紙と貝殻の粉でつくられる張子作品。タイトルもわかりやすかった。ブースを訪れるお客さんは、本人がものづくりを説明する前に「なーんとなく」経済と環境を理解しちゃっていた。このエコな作品は、広く日本社会に根付いている伝統文化という分厚い天井を軽々突き破ってなんとグランプリをとった。張子は昔から人の心にすぐ届くスピード感あるユニバーサルなメディアの一つと思う。ノムラさん、今度は海外にも村をつくろう。

 

■西村直子/スパイラル 販売部 商品課 課長 統括バイヤー

張子という伝統技法にプロダクトデザイン力を融合させ、今の生活に違和感なく馴染む新しい張子たちによる「りなの村」。ブランド名の発想や、展示各所に込められたワクワクさせる世界観が作り出す独創性と、展示や言葉のプレゼンテーション力が高評価でした。 「小さな」村人たちでブース内にボリュームを出すことは難しかったと思いますが、高さをうまく使ったレイアウトと、色数の多い作品たちを際立たせる配色の選択が成功していました。また使い手にもよりそった視点があり、「村」全体にとてもいい雰囲気があり立ち寄った後にじんわりと幸せな気持ちになりました。 それぞれの村人に添えられた言葉もとても魅力的でしたので、使う方にもっとそれが伝わるとより作品をパーソナルに感じてもらえると思います。来年の展示の際はより成長して大きくなった「りなの村」が表現されることを、楽しみにしています。

 

【略歴】

1994年 鹿児島県生まれ
2017年 静岡文化芸術大学デザイン学部生産造形学科卒業
2014〜2020年 YU MATSUDA DESIGN(現UO)にて勤務
2021年 独立開業

 

【主な受賞】

2024年 「SICF25」 MARKET部門グランプリ
2020年 「GOOD DESIGN AWARD 2020」
2010年 「Doodle 4 Google 2009」部門最優秀賞

 

【主な活動】
2024年 「SICF25」MARKET部門(東京)
2023年 「ARTS&CRAFT 静岡手創り市」(静岡)
2023年 「にわのわアート&クラフト・チバ」(千葉)
2022年 「ash DESIGN & CRAFT FAIR」(鹿児島)
2022年 「DENKEN WEEK IZUMI」(鹿児島)
2021年 「アリィの冬と夏」(静岡)
2021年 独学で張子制作を開始
各地のアート・クラフトフェアへの出展を中心に、ギャラリーやクラフトショップ等での企画展に参加中。
 


MARKET部門

準グランプリ

 

atelier yamani

 

<作品タイトル>

piece of motherhood

 

<作品について>

糸やカラフルなビーズを使い、マクラメ編み、クロシェ、刺繍などの技法を組み合わせて制作したコスチュームジュエリー。
SICF25で披露したジュエリーの題材としたのは、妊娠や出産時の経験をテーマに制作した大型マクラメタペストリー『motherhood』(2023)です。
『motherhood』の世界観を小さく閉じ込めて、身につけられるアートをイメージしたのが今回のコレクション『piece of motherhood 』となります。

 

<受賞コメント>

わたしの創作活動ルーツは、海外でマクラメアーティストとして活動していた母の存在です。
出産・育児のために海外から日本への移住を機にアーティスト活動を諦めてしまった母の意志を継ぎたいと創作を始めました。
その活動の幅を広げていきたいと思い、母の技法に自身のアート思考を取り入れ、ストーリーや背景を見た人に問いかけるアート作品を意識し始めたさなか、SICF25へ出展させていただけた事・準グランプリを受賞させていただけた事は大変光栄な出来事です。
このような機会と賞をいただけたことを糧に活動を続けていきますので、今後のatelier yamaniの成長もぜひご覧ください。

 

<審査員コメント>

■白本由佳/アートディレクター、グラフィックデザイナー

とても華やかな作品と色合いが人々を惹きつける大きなポイントとなりました。壁面に展示されていた大きなタペストリーは非売品でしたがとてもインパクトがあり、ブランドの象徴的な作品となっていたと思います。装身具はタペストリーの「マクラメ」という「結び」の技法を上手く活用しており繊細でありながら力強さがあり、ビーズなどのさまざまな素材と組み合わせることで様々な表情を見せる作品となっていました。

 

■藤原大/DDI 代表・デザイナー、クリエイティブディレクター、美術家

マクラメは組みヒモの一種で元々は航海に欠かせないロープワークのひとつ。会場の壁には、マクラメでできた立派なタペストリーが掛けてあり、ご本人はポスター代りに使っていた。これとは対象的にテーブルにあったマクラメのアクセサリーは、ルーペで見たくなるほど繊細で、人の肌にやさしいミクロな印象があった。プレゼンブースにあったこの2つのコントラストは効果的で、来場者をまるで不思議な国のアリスのごとく作品がもつ世界観へ引き込んでいたように感じた。

 

■西村直子/スパイラル 販売部 商品課 課長 統括バイヤー

まず圧巻だったタペストリー。展示に使用されたことはご自身のルーツを伝え、作品に奥行きを出すためにもとても効果的でした。耳飾りのシリーズは、タペストリー制作でつちかった高い技術力と、様々なカラーを用いながらグレーを有効的に使用しブースは美しくまとめられ、その優れた色彩感覚を評価しました。 大切にされている「プリミティブ」「モダン」感がバランスよく表現された作品は、華やかながら流行り廃りない静かな力強さがあり、立ち寄られたお客様がどれにするかとても楽しそうに選ばれていたのが印象的でした。ジュエリーとして今後広げていくには耐久性や修理対応など現実的な部分も必要になりますが、どうかそこも楽しみながら永く愛されるシリーズに育てていってもらえたらと思います。

 

【略歴】
1994年  アメリカ フロリダ州生まれ
1998年  日本移住
2017年  津田塾大学 英文学科 卒業
2017年  地方新聞社に入社。
“モノづくり”をする人たちを取材するうちに、海外でマクラメアーティストとして活動していた母の意志を継ぎたいと思い3年目で退社。
その後、母から教えを受けマクラメをベースにインテリアとコスチュームジュエリーを中心に制作している。

 

【主な受賞歴】
2024年 「SICF25」 MARKET部門 準グランプリ

 

【主な活動】
2024年 「SICF25」 MARKET部門(スパイラルガーデン/東京・青山)
2023年 松山文創園區 展示販売(台湾・台北)
2023年 個展 「mom&daughter exhibition」 (カクイチBLD/栃木・宇都宮)

 


MARKET部門

白本由佳賞

 

ミヤウチモネ

 

<作品タイトル>

drawing series

 

<作品について>

私は主に吹きガラスの技法で作品を作っています。今回の「drawing series」はその言葉通り、絵を描くような感覚で作っている一輪挿しです。その日その日の気分で、色で、ノートの隅に書く絵のようなラフな気持ちで吹いています。ガラスは熱いうちにしか形を変えることができません。一瞬一瞬直感的に自分の意思をガラスに伝え、それと同時にガラスの意思も汲み取ります。私とガラスの意思が調和した時、ひとつの作品が完成します。それは毎回違う形で、ガラスの温度や私の気分、その日の気候などに左右されます。その不安定さや偶然性に面白さを感じています。
また、一般的なガラスのイメージは硬くて冷たくて涼しげな印象だと思います。しかし、作業中のガラスは熱く柔らかい素材です。この柔らかさをガラスが冷めた後も感じられるようなフォルムを意識して制作しています。そのフォルムからはどこか、優しげでもっちりとした印象をうけるはずです。そんな私の思うガラスの魅力を一輪挿しという用途のある姿を借りて表現しています。私の作品を通してそんなガラスの魅力に気づいていただけたら嬉しいです。

 

<受賞コメント>

この度は白本由佳賞をいただき、誠にありがとうございます。驚きと嬉しさで暫く信じられませんでした。
今回SICFに挑戦しようと思ったきっかけはこの「drawing series」をガラス業界だけではなく、様々な方に見ていただきたいという思いからでした。3日間を通して多くの方にご覧いただき本当に良い機会をいただけました。今回の学びや気づきを今後の制作に活かし、これからも楽しく作っていきたいと思います。

 

<審査員コメント>

■白本由佳/アートディレクター、グラフィックデザイナー

「drawing」というシリーズの吹きガラスの作品で、その有機的な曲線や独特の色合いが際立っていました。絵を描くような感覚で作られたという形状や色はユニークでありながら親しみやすさを感じ、日常生活にちょっとした幸せをもたらせてくれるような作品でした。また、それぞれに特徴的な作品名が付けられており、その形状が作られたストーリーを想像したり制作の経緯を伺うのも彼女の作品を楽しむポイントです。

 

【略歴】
2023年 多摩美術大学 美術学部 工芸学科 ガラスプログラム 卒業
2023年 多摩美術大学 博士前期過程 工芸専攻 ガラスプログラム 入学(現在在学中)

 

【主な受賞歴】

2024年 「SICF25」 MARKET部門 白本由佳賞

 

【主な活動】
2023年 「がらすとすいさい」2人展(自由が丘)
2022年 「がらすとすいさい」2人展(自由が丘)

 


MARKET部門

鈴木啓太賞

 

 

AMOC PROJECT

 

<作品タイトル>
AMOC PROJECT -a moment of clay-

 

<作品について>

暮らしに溶け込み、何気なく使われ焼き物は、知られていない別の一面を持っています。「AMOC PROJECT」は土殺しをする時に回転するろくろに乗せた粘土のカタマリの刹那的な表情を捉え、FDM(熱溶解積層)方式3Dプリンターでオブジェを制作しています。FDM方式で本来は嫌われる積層痕を活かし、回転による土の風合いをさらに再現できました。アート表現を最低限に抑え、目の前のリアリティーを再現するという造形的アプローチを求め、それぞれの造型物のかたちによって異なる機能が生まれ、日常生活に溶け込めます。素材にはPLAという植物由来のでんぷんを原料とする生分解性プラスチックを使い、土ように自然から生まれ自然へ戻します。

このプロジェクトは、生産現場だけに在るアノニマスで野生的な美、また手の温もりを感じるカタチを現代技術で暮らしに取り入れることを目指しています。工芸やテクノロジーの枠を超え、手仕事のランダム性と機器の数理的な確定性を掛け合わさせた新しいモノ作りを提案しました。

 

<受賞コメント>
この度、鈴木啓太賞を頂けましたこと、大変嬉しく光栄に思います。
異なる背景を持つ方々、様々なジャンルの素晴らしい作家たち、そして審査員の皆様と深いコミュニケーションをとる中で、多くのことを学び、自分の制作に新鮮な視点を得ることができました。とても意義深く刺激的な3日間を過ごせました。今後も精進してまいります。皆様本当にありがとうございました!

 

<審査員コメント>

■鈴木啓太/PRODUCT DESIGN CENTER代表、デザイナー、クリエイティブディレクター
伝統的な工芸の魅力と現代技術を融合させたアイデアが見事です。セラミック製と錯覚するほどの手仕事の繊細な表情と3Dプリントの質感のバランスが優れています。展示方法も工夫され、ストーリー性が際立ち、工芸の新たな可能性を示しています。

 

【略歴】
1998年 中国浙江省出身
2022年 東京藝術大学大学院デザイン科入学、現在在学中

 

【主な受賞歴】
2024年 「SICF25」 MARKET部門  鈴木啓太賞

 

【主な活動】
2024年 「SICF25」 MARKET部門(スパイラルガーデン/東京)


MARKET部門

藤原大賞

 

イシクラカズマ

 

<作品タイトル>
枝器 [ edaki ]

 

<作品について>
花や草木を飾る器は存在するのに、枝のための器はないことに気がついて、作りました。

その名も 「枝器 (edaki)」。

花や葉っぱも美しいのですが、それを支えてる枝って、よく見ると細くっても力強くてすごいんです。
そんなところに注目してみて欲しいという願いが込められています。

今日はどんな枝を飾ろうか。
今日の枝を探しながら歩けば、いつもの帰り道も宝の山に見えてくる。かも。

材料は主に、メープル・栃・ウォールナット・花梨・欅など、
家具や小物を製作した時に出る材料の端っこを使用しています。

 

<受賞コメント>
このような賞を頂けましたこと、大変嬉しく光栄です。
お越し頂きました皆様、普段支えてくれている仕事の仲間、両親、そして関係者の皆様のおかげ様です。
期間中、本当にたくさんの人たちに「枝器」の存在を知ってもらい、またそれを手にとり、枝を飾る行為を楽しんで頂けたことが、かけがえのない経験となりました。
今回、国内外へ嫁いで行った101個の枝器達が、誰かの暮らしに新しい彩りを添えているかと思うととても嬉しいです。
心が豊かになるきっかけは、普段の暮らしの中に潜んでいると思います。そんなヒントを見つけたら、またカタチを作っていきたいと思います。

 

<審査員コメント>
■藤原大/DDI 代表・デザイナー、クリエイティブディレクター、美術家
初見で完成度あるブースと感じた。話を聞くと、「花や草木を飾る器はあるのに、枝はない」という。家具の製作に携わっていると話す本人の人柄に魅力あり。廃材とは言わず、家具や小物を製作した際、「端っこを使用しています」と話していた。人を寄せる愛嬌がある。花器は誰もが認めるレッドオーシャン市場。ここに忽然と現れたこのプロダクトで、なんと、枝を集めるファンを増加させている。枝葉を伸ばして、いずれ市場に大輪の花を咲かせてほしい。

 

【略歴】

1978年 西東京生まれ 埼玉育ち

 

【主な受賞歴】
2024年 「SICF25」 MARKET部門 藤原大賞

 

【主な活動】
2024年 「SICF25」 MARKET部門(スパイラルガーデン/東京)
2023年 手しごと市! 私はコルソで「スキ」に会う(CORSO/埼玉)
2022年 イシクラカズマ本店 OPEN
2021年  What is monokuri?The Funny is Alright!(ONVO SALON URAWA/さいたま)

 


MARKET部門

ベストセールス賞

 

ちくちくアートKAHO

 

<作品タイトル>

Take it easy

 

<作品について>

ミシンのフリーモーションを使い、まるで一筆書きのように糸を繋げて描く技法は、これまでにない新しい刺繍表現です。色合わせにこだわり、アップリケやビーズ刺繍など、いくつかの技法も組み合わせ制作します。
今作のシリーズでは、椅子や、ランプ、花瓶など、だれにとっても身近な日常のモチーフを描いています。何気ない暮らしに存在する景色も、ゆっくりと見渡せばそれぞれが愛おしい瞬間ばかりではないでしょうか。
ハギレと刺繍の柔らかな表現、作品のストーリーが重なり合い魅力となる、ちくちくアートをどうぞお楽しみください。

 

<受賞コメント>
この度は数多くの参加クリエーターの中から「ベストセールス賞」に選出いただけましたことを大変光栄に思います。
ご購入いただきました皆さんに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
手芸好きという共通点から私の作品を知ってくださった方々や、「ミシンで自由に絵を描く」に興味をもってくださった初めましての方たちと作品や制作について直接お話しすることができ、開催3日間はとっても楽しく貴重な時間でした。
「縫うことが好き!」ハンドワークの楽しさを通して、皆さんと繋がれたことも嬉しく感じております。
ちくちくアートKAHOの作品が、皆さんの暮らしを明るく輝かせるお手伝いができることを願います。

 

【略歴】
1994年 アメリカ・インディアナ州生まれ。
静岡県浜松市にて育ち、現在は愛知県在住。浜松学院大学短期大学部幼児教育学科修了。絵や工作を楽しむ幼少期を過ごし、10歳でパッチワーク教室に通い始める。布と糸の柔らかな素材に魅了され2013年よりアート作品の制作を始める。

 

【主な受賞歴】
2024年 「SICF25」 MARKET部門 ベストセールス賞

 

【主な活動】
2024年 横浜個展 (garage YOKOHAMA内 ギャラリースペースガレコ)
2024年 名古屋個展 (garage NAGOYA内 ギャラリースペースガレコ)

 

 

Photo: TADA(YUKAI)