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(編集中)SICF27 MARKET部門 受賞者一覧

MARKET部門 受賞者一覧

SICF27 MARKET部門 5組の受賞者を審査員のコメントとともに紹介します。


グランプリ

 

odachi marino

 

<作品タイトル>

ジュエリー/まち針と針山/book mark

<作品について>

“ive”(イベ)は、島根県を拠点に小立まりのがデザインから制作まで手がけるブランドです。
silver925などの金属を主に扱い、日々生活するなかでふと目にする景色から感じ取った、有機的なラインや空気感を作品に落とし込んでいます。また、ジュエリーのほか、ブックマークや針山など、身近にある道具の美しさにも目を向け、自分なりの形を探りながら制作しています。

 

<受賞コメント>

本格的に作家活動を始めて約1年、まだまだ未熟な部分も多いなか、今回の受賞に驚いています。同時に、これから活動していく上での大きな一歩として、背中を押してもらったような気持ちです。ありがとうございます。
来年のグランプリ展では、今とはまた違う新しい景色を作品たちとお見せできたらと思っています。

 

<審査員コメント>
■大治将典|プロダクトデザイナー 、統合デザインディレクター

自然をモチーフとした要素が丁寧に取捨選択され、洗練された独自の世界観が構築されていました。身に纏う「身体表現」としてのアクセサリーから、日常の空間を彩る「空間表現」のプロダクトへと、表現の幅が自然に広がっていく気配を感じたことが高く評価したポイントです。装身具としての繊細なアプローチは大切にしながら、ぜひ人々の生活空間へと広がる美しい造形をこれからも生み出し続けてほしいと願っています。
私は今回の審査において、EXHIBITION部門が「社会に対する問い」を提示する場であるならば、MARKET部門では「日常に対するささやかな疑問や気づき」を内包する作品をすくい上げたいと考えて臨みました。決して声高なメッセージでなくとも、ありふれた日常の風景に潜む美しさを見出し、使い手に微笑みをもたらし続けること。それこそが、ものづくりにおいて最も尊く、ひいては平和な世界を形作っていくのだと、本作品を通じて改めて確信しました。
中でも、まち針をあしらったガラスのピンクッションは、素材のみずみずしさと佇まいが非常に美しく、心惹かれる秀作でした。来年のグランプリアーティスト展に向けて、どのような新しい景色を見せてくれるのか、さらなる飛躍を心より楽しみにしています。

 

白本 由佳|アートディレクター、グラフィックデザイナー

odachi marinoさんの作品は、彼女独自の美意識が細部まで反映されているのが特徴だと感じました。
一見するとシンプルで静かな印象を与えますが、その奥には一本の芯が通ったような、凛とした美しさが漂っていました。
そしてその魅力は、実際に手で触れ、形状や質感、馴染み具合を体感することで、素材の持つ温かみや洗練さとして、より深く伝わってきました。ジュエリーだけでなく身の回りの道具にも目を向け制作されているとのことで、今後の展開も楽しみにしています。

 

 

【略歴】

島根県生まれ
倉敷市立短期大学服飾美術学科・服飾美術専攻卒業
アパレルメーカーで企画デザイン
2025年4月 本格的に作家活動を始める

 

【主な受賞歴】
2026年 「SICF27」 MARKET部門 グランプリ

 

【主な活動】
2025年 POP UP SHOP(deer nature/島根)
2025年 「DOUBLE KOBE」出展(兵庫)
2026年 「jewelry exhibition」参加(matou/兵庫)
2026年 SICF27 MARKET部門 (スパイラルガーデン/東京)

 


 

造形賞/オーディエンス賞

 

夜行

 

<作品タイトル>
空が寝ててもいい

 

<作品について>

夜行はぬいぐるみを主軸にしたプロジェクトです。
夜行のぬいぐるみはひとつひとつ布を裁断し、目を刺繍し、綿を詰め立体にし、石膏を練って爪を作るなど、あらゆる工程を経て作られています。
また、各生物がぬいぐるみとして生きていたらどんなかたちだろうかと考えて作られています。そのため、デフォルメされたかたちをとりながらも、どこかリアルに存在する空気を纏うものになっています。
彼らはわたしがつくりだしたぬいぐるみでありながら、一個人として存在し、何か考えがあるようにも見えます。その普通の日常を物語として掬い取り、表現しています。
今回は商品の販売だけでなく、大きなイエティの「たからもの」も商品と並列に見えるようなキャプションをつけて展示しました。
自分にとってはよくわからないものが別の文化や生活の中ではとても重要であったり、特別なものだったりします。
そういった意味でのイエティの「たからもの」と、購入可能な商品が一緒に並んでいる愉快な違和感を楽しんでほしいという狙いがありました。
その全てを含めて作品として表現するため、一見するとよくわからない言葉を並べた「空が寝ててもいい」というタイトルをつけ、空間構成や販売計画を立てました。

 

<受賞コメント>
わたしは何かひとつの力や空気に依らない軽やかな芸術活動を目指しています。そのために購入できるアートをやっていこうと始めたのが夜行というプロジェクトです。ぬいぐるみは完成した時からわたしの手を離れ、一個人としての人生を歩んでいるように感じます。そのため日常生活の中に愉快な違和感を加えるのにとても適していると思います。今回は初めて夜行としての考えを伝えるきっかけをいただき、大変嬉しく思っております。

 

<審査員コメント>
藤原 大|DDI 代表、デザイナー、クリエイティブディレクター、美術家

「夜行:イエティ」からは、夜に降る雪に周囲の音が吸い込まれ、不思議な静けさの中に「イエティ」が佇む情景が浮かぶ。画家・造形作家、イラストレーター、ぬいぐるみ作家など多面的に活動する佐藤穂波さんは、科学・神話・伝説が交差する“未知の生き物”の世界をつくる根っからのアーティストである。「イエティ」は、見えている世界の裏側に潜む佐藤さんならではの物語を感じさせる作品だが、アートとデザインのマーケットを意識的に交差させる企てで今回受賞した。繰り返し作る顔造形の工程を変化させず簡略化しながらも見る人によって表情が豊かに変わって見える。丁寧に、そしてよく考えられたプロダクトとしての魅力ある。

 

【略歴】

2014年 武蔵野美術大学 造形学部建築学科卒業
2015年 画家・造形作家として開業
2017年 ぬいぐるみ制作を中心としたプロジェクト「夜行」開始


【主な受賞歴】

2026年 「SICF27」 造形賞/オーディエンス賞


【主な活動】

2022年 「オキモノ展示会」参加(マガザンキョウト)
2023年 映画「ふまじめ通信」イラスト制作
2024年  DENSO Future Story「ANY PLACE」漫画制作
2024年 夜行POPUPSHOP (ラフォーレ原宿/東京)
2025年 「nui nui nui!」vol.2/vol.3 掲載(世界文化社)
2025年 YAKOH POPUP 「ねてもさめても」(OIL by美術手帖/東京)
2025年 夜行個展「あっちからきました」(東銀座 SHUTL/東京)

2026年 「nui nui nui!展」(HMVmuseun/HMV SHIBUYA)

2026年 SICF27 MARKET部門 (スパイラルガーデン/東京)

 


 

技術賞

 

Kaining He

 

<作品タイトル>
時間の贈り物(The Present of Time)

 

<作品について>

「時間の贈り物」は、乾燥前のお香素材の柔らかな特性を活かし、燃焼による変化を通して、お香が灰へと変わっていく過程そのものを楽しむためのお香です。蕾の形のお香は梅のように艶やかな光を放ち、桜の形のお香は咲いては散り、葉の形のお香は紅葉のように燃え、やがて枯れていく——春夏秋冬の移ろいの中で、すべての命は衰え、朽ち、再生へとつながっていきます。
これらのお香は、京都で活動する女性支援団体の女性たちによって、一本一本丁寧に手作りされています。生きづらさを抱える女性たちが、安心できる場所で手を動かし、人とつながり、自分自身へと還る時間を育んでいく。手仕事によって生まれたお香は、火の揺らぎを通して、草木の移ろいや生命の循環を表現します。
「今、この瞬間」に意識を向けるとき、「Present」は、時間そのものからの「贈り物」となります。

 

<受賞コメント>

この度は技術賞をいただき、誠にありがとうございます。学生時代に模索しながら制作した作品で、商品化はなかなか難しかったですが、長い年月をかけて、そして関わってくださった皆さんの知恵と手を借りながら、こうして今の形でお届けすることができ、とてもうれしく感じています。
また、今回は東京に来られなかったけど、京都にいるお香の作り手の皆さんにも、「ありがとう〜!」のエールを送りたいです。

 

<審査員コメント>
■大治将典|プロダクトデザイナー 、統合デザインディレクター

花や植物をモチーフにした繊細なインセンス(お香)と、それを支える天然石のホルダーとのコントラストが非常に美しく、静謐な世界観を放っていました。火が灯り、ゆっくりと灰になって落ちゆく様までが詩的にデザインされており、時間の経過そのものを美しく見せるプロダクトとしての完成度に魅了されました。
また、造形の美しさにとどまらず、コンセプト映像やパッケージ、グラフィックプレゼンテーションの総合的なレベルの高さも目を引きました。さらに特筆すべきは、実際にインセンスを展開していくための、京都における製造ネットワークやロジスティクスまでが周到に考え抜かれ、構築されている点です。目に見える表層の魅力だけでなく、モノづくりを支える裏側のシステムまでを包括的にデザインするその優れた「構築力」こそが、今回の技術賞にふさわしいと高く評価しました。
会場の環境上、実際にお香に火をつけてその香りを体感できなかったことだけが唯一の心残りです。今後のさらなる展開を楽しみにしております。

 

【略歴】

1996年 中国・杭州出身
2015年 来日
2020年 多摩美術大学 プロダクトデザインデザイン専攻 卒業
2022年 武蔵野美術大学 基礎デザイン学科 卒業
2021-2023年 デザイン事務所勤務
2025年 ロンドン芸術大学×京都工芸繊維大学MA Global Collaborative Design Practice 卒業

 

【主な受賞歴】
2026年 「SICF27」MARKET部門 白本由佳賞

 

【主な活動】

2025年 「DESIGNART Tokyo (U-30)」(Tiers Gallery/ 東京)
2025年 「1/fゆらぎの声」(シスターフッド書店Kainin/京都)
2025年 「Broken Silence」(Summer Hall /エディンバラ)
2025年 「月の光に照らされた身体」(Moon Gallery & Studio/東京)
2026年 デザイン上海 「Beyond Crafts」(上海展览中心/上海)
2026年 「TRADITION for TOMORROW」(京都伝統産業ミュージアム/京都)

2026年 「 Tradition Meets Today」 (京都伝統産業ミュージアム/京都)
2026年 SICF27 MARKET部門 (スパイラルガーデン/東京)

 


 

独創賞

 

ZANY FABA COFFEE

 

<作品タイトル>
Sally Ameccoski’s Emotion Diary

 

<作品について>

私たちZANY FABA COFFEEのコンセプトは、”感情のコーヒー” です。

 

架空のキャラクター、”サリー・アメッコスキー”。
現在50歳の彼女の日常を切り取り、
その時のサリーの感情をコーヒーで表現しています。
“怒り”はガツンとくる強い苦味だったり、
“恥ずかしい”はキュッとなる酸味だったり。
私たちの感情と同じく、サリーの感情も少し複雑です。
怒りの中にも恥ずかしさがあり、
恥ずかしさの中にも勇気があったり、
勇気の中にも優しさがあったり。
コーヒーの中にもたくさんの味や香りがあり、
最初の一口目から、最後の余韻まで、様々な味わいがあります。
コーヒーの味の表現の中には、
他の食べ物の味や香りを使うことが多くありますが、
私たちは、こんな表現があっても面白いと思っています。
サリーのストーリーとともに味わう”感情のコーヒー”は、
ドリップバッグとして作成しています。
パッケージには、サリーのイラストとストーリーがあり、
それらを見ながらコーヒーを味わって、楽しんで頂ければ嬉しいです。

 

<受賞コメント>

この度は、独創賞という素晴らしい賞を頂き、ありがとうございます。
ふたりでひとつひとつ積み重ねては壊し、変化を続けてきた日々でした。
自分たちの”楽しい”を追求し、それが誰かの”楽しい”に繋がると信じてきたことが、
今回、評価を頂けたことに感謝しております。
私たちは、これからも変化を恐れず、進み続けたいと思っております。

 

<審査員コメント>
■白本 由佳|アートディレクター、グラフィックデザイナー

サリーアメッコスキーという50歳の女性キャラクター。彼女の心情がコーヒーの味わいで表現され、それぞれにオリジナルのストーリーが紡がれているという、なんともユニークな作品世界に引き込まれました。
独自の設定の面白さはもちろんのこと、何より作品を手がけられたおふたりが、その世界観を楽しそうに語られている姿がとても印象に残っています。日常のコーヒータイムにささやかな幸せを添えてくれるような、おふたりの温かなお人柄と作品の魅力が心にじんわりと広がりました。

 

【略歴】

2008年2月 天然染めと織物のブランド『248 nishiya』設立。夫婦2人で活動。
2016年8月 『248 NISHIYA』に改名 ソフト・スカルプチュアへ転向
2017年10月 ぬいぐるみとストーリーの『ZANY FABA』設立。
2021年1月 珈琲焙煎を開始。『ZANY FABA COFFEE』設立。

 

【主な受賞歴】
2026年 「SICF27」MARKET部門 独創賞

 

【主な活動】

2021年 「アル、アル、イシ、レシット」初個展(tooku/長野)
2022年 「雑司ヶ谷手創り市」初出展(手創り市/東京)
2023年 「ZANY FABA COFFEE BEAR’S ROASTERY」ぬいぐるみ・ドリップバッグ販売(senkiya/埼玉)
2024年 「Bear’s Emotion Blend LABO」ワークショップ開催(senkiya/埼玉)
2024年 「マグとわたし」珈琲提供・販売(静岡手創り市/長野)
2025年 「グレ喫茶」出展(skywalker bakery&cafe /静岡)
2026年 SICF27 MARKET部門 (スパイラルガーデン/東京)

 


 

スパイラル奨励賞

 

MARIKO KONISHI

 

<作品タイトル>
PINK

 

<作品について>

今回のラインアップは、春開催のイベントであることに加え、スパイラルのスロープやホールから感じたピンク色の印象に着想を得て、ピンク色の作品や春を連想させる作品を中心に構成しました。メインのグラデーションの作品については、「吹き付け」という伝統的な技法を用いて、色を重ねながら釉薬を施しています。わずかな距離感や力加減によって表情が変化するため、一点ごとに異なる揺らぎが生まれます。そうした偶然性や、制作時の息遣いのようなものが作品に映り込むことに面白さを感じています。手仕事ならではの痕跡や温度感も、作家物の魅力のひとつだと考えています。
またゴブレットは、コロンとしたフォルムと色のコントラストによって、ピンク一色になりすぎない引き締まりを空間にもたらしていました。
形や色、釉薬の揺らぎ—そうしたひとつひとつの要素を通して、日常を少しだけ揺らす存在を目指しています。記憶に残る「佇まい」とは何かという問いを手放さず、これからも制作を続けていきます。

 

<受賞コメント>
この度は素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。今回の受賞を励みに、手仕事にしか生み出せない表情や温度感を追い求めながら、さらに制作活動に真摯に向き合っていきたいと思います。

 

<審査員コメント>
■堀越 千尋|スパイラル 商品課 課長・バイヤー

何度も試行錯誤を重ねて作り出されたという、強さとやさしさを持つピンクの色が、スパイラルの空間に映えとても印象的でした。作家の目指す「アートと日用品のあいだを探る形づくり」がスパイラルの活動テーマ「生活とアートの融合」にも重なり、どこか安心感がありました。
口で吹き付ける釉掛けによって生み出された、自然で柔らかな色合いとゆらぎの表情。
色を肯定するデンマークの感覚と、淡く移ろう日本の美意識の感覚が重なる表現。
その絶妙なバランス感覚と、空間にあわせて今回ピンクをセレクトされた世界観やセンスを活かし、これからも使う人の時間や暮らしに寄り添う作品を作られていくことを楽しみにしています。

 

【略歴】

1994年 神奈川生まれ
2014年 武蔵野美術大学 造形学部工芸工業デザイン学科 インテリア専攻 卒業
2014–2017年 内装設計施工会社にて内装デザインに従事
2018年 デンマークのEngelsholm Højskoleにて陶芸を学ぶ
2019-2024年 内装設計施工会社にて内装デザインの仕事と並行して、陶芸の制作活動を行う
2024年 「MARIKO KONISHI」として陶芸家として本格的に活動開始

 

【主な受賞歴】
2026年 「SICF27」MARKET部門 スパイラル奨励賞

 

【主な活動】

2025年 「ふゆの陶器市」手創り市(東京)
2025年 「はるのお祝い」The Day Drip(tantorte/東京)
2025年 「PINK」(branch/大阪)
2026年 「ふゆの陶器市」手創り市(東京)
2026年 「はるに、桜と」手創り市(東京)
2026年 Village 三島(静岡)
2026年 SICF27 MARKET部門 (スパイラルガーデン/東京)

 


 

SICF27 講評会(MARKET部門)

 

詳細はYoutubeにて公開中!